本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

宗教法人を使えば脱税し放題!?「寺院ころがし」の旨味とリスク

宗教法人の名前を使えばソープランドも脱税し放題
宗教法人ほどオイシイ商売はない、とは昔からよく言われる話だ。売り上げを公益事業の収益として申告すれば、税金か激減されるからだ。


現在、宗教法人は、所得税、地価税、固定資産税、道府県税、登録免許税、関税の6種類が非課税対象となっている。土地や建物はもちろん、墓地や幼稚園を作ったり、仏像などを輸入しても、一切、税金を払う必要がないのである。

 

さらに共収益事業を行った場合でも、科せられる税金は少ない。一般の企業が30%であることを考えれは、宗教法人がいかに優遇されているか器わかりだろう。これを逆手に取り、脱税や怪しけな事業に乗り出す教団は後を絶たない。

 

例えは、大阪の某寺はなんと16軒ものソープランドを経営せっせと脱税に励み、また、栃木県の佐野厄よけ大師で有名な某寺の住職は家族に年間ー億円という法外なヤミ給与を支払っていた。他にも、埼玉県の某寺はにせ薬の製造で薬事法違反、PL教団はノンバンクに出資していた事実が明るみに。

 

統一協会の霊感商法、あるいは福永法源が教祖の法の華の足裏占いなどもあった。こうしたなか、国会では税制の抜本的見直しが叫ばれてはいる。

が、創価学会を支持基盤に持つ公明党が連立与党に参加している関係からか、論議は一向に進んでいない。現段階では、宗教法人の名前を使えソープもパチ屋も、脱税し放題というのが実情である。

「だから宗教ビジネスはやめられないんだよ。次々と新宗教が生まれるのおかけで」

こう語るのは、不動産会社を営む傍ら、宗教法人売買ブ口ー力ーとしての顔も持つ田上氏(仮名)だ。

氏の仕事は、宗教法人を売りたいという寺に、買いたいという企業を斡旋、仲介手数料を得ることである。向こう10年で扱ってきた物件はニ十数か所。有名寺院の売買話には必ずその名前が取りざたされるヤリ手の人物だ。

「実はいまも、買手がいりゃーすぐにも売りたい物件があるんだ。もちろん、ブツは保証付きだよ。30年という伝統ある名だし格式も高い。それでいて1億5千万で売ろうってんだから、こんないい条件もない。本来なら2億、いやそれ以上っていいたいところなんだ」
まずは現在進行中の売却話に耳を傾けてみよう。
ある意味、これも人助けなんだよ福島県と茨城県の県境近くにあるH寺は、伝統と長い歴史を持つ、東北でも有数の寺院である。住職の名前はN師だ。

ところが、実はこの寺、住職がトンデモナイでたらめをしでかし、1億円とも2億円ともいわれる負債を抱えた揚げ句、長期入院。現在は坊さんがいないという、無住状態が続いている。

当然、檀家は困る。葬式があっても、肝心の坊さんがいないから、仏さんに引導を渡すこともできない。どころか、借金の担保に寺が取られようとしているのだから、シャレにならない。

「もちろん、金を返せばコトは穏便に済むんだけと、1億2億っていやー、決して小さい額じゃないだろ。ましてや田舎の人間にはそう簡単に出せんよ。で、債権者であるそのスジの人間が、売却に手を貸してくれって、泣きついてきたんだ」

氏の名前は、きっちり裏社会にも轟いていた。さすが、というべきか。
「うさん臭い顔で見るなよ。オレの仕事ってのはH寺のように多額の借金に苦しんでたり、後継者不足に悩んでたり、事業拡大に資金が必要なワケアリ物件ばかり扱ってるんだ。ある意味これも人助けなんだよ」

確かに、今のH寺は困惑を絵に描いたような状況である。では、なぜ、H寺は億単位の負債を抱え込むようになったのか、N住職の長期入院の原因は何なのか。氏によれば、そもそもH寺は別名『東北の身延』と言われ、日蓮聖人の弟子が東北を布教中、領主であった豪族の招きを受け、正応三年(1290)に寺院を建立したのが始まりである。

最盛期には四十数力寺もの末寺を擁する寺勢を誇っていたらしい。だが、その後、火災や自然災害などに何度か遭遇し、近年では壁の剥離、雨漏り、床板や天上板が陥没。

檀家が一丸となって改修工事に取りかかり、半年後のようやく完成となる。

「完成祝いにはワシも招かれたんたが、檀家の喜びようはなかったよ。なにしろオラたちの寺っていう意識が強いし、結束力も並大抵のもんじゃない。でなけりゃ半年もの工事には取り組めんよ」

ちなみに本堂は、瓦屋根を銅板にあらため、壁は白く塗り替え、雨戸、天井、床板もすべて新品に交換。茅葺き屋根の庫裏を撤去したぶん、庭も広くすっきりしたそうだ。「こんなに熱心な檀家に支えられているH寺は本当に幸せもんだよ。だからワシは、檀家たちにいっとるんだ。一刻も早く寺を売却して、借金を返済した方かいいって。要は、一から出直せばいいだけのことだろ?」
前置きが長くなった。H寺が多額の負債を抱えるようになった原因を、田上氏に語ってもらおう。

「直接の理由は、檀信徒会館を建設するんで、不動産屋や闇金融といったヤクザまがいの連中から資金を調達したからなんだよ。最初は数千万円程度だったのが、雪だるま式にふえていって、いまじゃ1億8千万円、いや、それ以上とも言われてるんだ」

債務者が多方面にわたっているため、借り入れ時期はマチマチで、現金、手形、小切手といった形態も不明。さらには借金を裏付ける証文すらも散逸した。
「あんまりそぐわないって、檀家にもひどく評判が悪かったみたいだな」

それでも住職は強引に建設をすすめた。が、できあがってみれば、借金の山と土地建物の抵当権だけが残ったというわけだ。

「実はN住職、こうした多額の借金を抱えたことで、頭がおかしくなっちまってな、精神病院に入ったまま、一向に出て来れないんだ。いまじゃまともな会話もできないぐらいボケちまったよ」

何とも複雑な事情だがこうした物件ほどオイシイのは裏商売の常。H寺が売れた場合、氏にいかほどの実入りがあるのだろう。

「こっちのいい値どおりH寺が1億5千万円で売れたとする。その場合、ワシの取り分はだいたい4分の1ぐらいだとと思ってくれりゃーいいかな」

単純計算、3千750万円の実入り。寺を右から左に動かすだけで、これほどの大金が転がり込んでくるとは。

「実際は、そんなに甘かないよ。まず買い手がそう簡単に見つからないし、たとえ見つかっても話がまとまるとは限らない。万が一、話が途中でポシャったら、へっこみはこっち持ちだ。神経を使うわりには決して満足な実入りとはいえないんだ」
土地も建物もないペーパー寺院
田上氏には未だに忘れられない苦い経験がある。

8年前、茨城県の霞ケ浦にほど近いとある寺院の売却に深く関係したものの、途中で頓挫、ー億円の取り分をみすみす逃すという失態を演じたという。

「寺院はK寺っていって、奈良時代に建立された名門寺院なんだが、元来、檀家を持たない祈祷寺だから、経営は苦しくてね。運転資金を捻出できないかって頼まれたんだよ」

一見、難しそうな依頼だが、幸か不幸か、師はK寺のほかに、T院とM院という2つの寺院を所有していた。氏はこれに目をつける。

「要は、2つの寺院を売っぱらってK寺の運営資金に当てようと。値段はずばり、1億円。H寺より5千万円も安いのか、当時は相場でね。それがペット霊園開発(宗教法人の名前が必要)なんかで、値段がどんどん釣りあがっちまったんだ」

師と話をつけると、田上氏は医者、弁護士、住職、企業のオーナー、観光業者などに、『ー億円で寺院売ります』とのFAXを流す。そこに現れたのが、都内在住の住職だった。
「交渉はすぐにまとまったよ。もっともその住職、自ら使うんじゃなく、石材メーカーに1億3千万円で転売することが目的でね。そこの会社、大規模な霊園開発を計画してたんだよ」

ところが、売った後になって、このT院とM院が土地も建物もない、ただのペーパー寺院だと判明する。これでは開発は不可能だ。

1995年3月文化庁が各都道府県に通達した「宗教法人に関する認証事務等の取扱いについて」によれば、自前の土地および礼拝施設、宗教活動の永続性が宗教法人認証の条件とある。つまり、両院とも宗教法人としての条件を満たしていないのだ。

「結局、売却話はご破産になってね。住職や石材メー力ーへの慰謝料を含めると、えらい出費になったよ。物件を確認しなかった自分のミスとはいえ、泣くに泣けない心境だったな」

田上氏のことばから宗教法人売買ブローカーの実態がいくつかわかってきた。
宗教法人の売買とはすなわち、寺ごと売るということ。

宗教法人の相場が確実に値上がりしているということ。

売却先として、社会的ステータスの高い相手が選ばれていること。

宗教法人は転売される度に値段が釣りあがっていくこと。
あたかも自動車や土地のごとく、宗教法人が売買されるこの構図。もしかしたら、寺院ころがしが当たり前のようにまかり通っているのかもしれない。
土地も建物もないペーパー寺院
田上氏がこの道に入るきっかけは今から10年前、本業をやりながら某新興宗教に入団、地区責任者として活動したことだった。

何でも、教団が家族、金銭、仕事、夫婦、病気の悩みを解決すると信者に献金を要求。氏もバ力高い数珠やお札、書籍類を売らされていたらしい。

「純粋な信仰心で入ったんだけど、さすがにウンザリしてきてね。やめようかって思っていたとき、出入りの仏具メーカーから、面白い話を聞かされたんだ。ある寺が、借金か原因で、住職かいなくなり、檀家が困ってるって」

氏は考えた。それだけ金に困ってるなら、宗教法人を売ってくれるのではないかと。節税を考える企業に転売すれば大きな儲けになりそうだ。

「もともと寺が売買されてるってことは知ってたからね。要は、御札や数珠を売ることで覚えたノウハウを使って、宗教法人に活かせばいいだけだろ。これならワシにもできそうじゃないか」

さっそく、その寺の関係者に話を持っていったところ、ー億円で交渉が成立。買い手もすぐに見つかり、最終的に氏の下には2千500万円の手数料が。

「その後はまっしぐらだよ。オウム真理教が話題になっていたせいか、いろんな寺から売却話の相談を受けた。まとまらない話も多かったけど、年間で3、4件は売れたかな。今じゃどう頑張っても、その半分かせいぜいだな」

とはいえこれだけの高額な商品、それ相応の販売テクニックが必要なはず。例えば、売却の対象となる寺はどこから探してくるのか。

「蛇の道は蛇の喰えとおりだよ。つまり、墓石を扱ってる石屋、仏壇屋、葬儀屋なんかと仲良くしておいて、情報を流してもらうんだ。連中はちょくちょく寺に出入りしてるし、台所事情もよく知ってるからな」

もちろん、彼らもタダで情報を提供するほどお人よしじゃない。例えばネタがモノにならなくても、何かしかの金を払うのがこの業界の仁義だ。

「効率は悪いけど、どんなチンケな宗教法人だって、売るとなりゃ1億は下らん。高けりゃ2億、3億にもなっちまう。入ってくる実入りを考えたら、多少の出費は惜しくないよ」
宗教法人の売買は違法ではないが容認もしない
狙う寺院の条件はカネに困っている、後継ぎがいない、休眠状態、(いわゆる空き寺)、単立宗派であることの4つ。最初の3つはわかるか、4番目の単立宗派とは何なのだろう。

「それは、真言宗だの日蓮宗といった既成の宗派に属さず、単独で宗派を名乗ってる者を言うんだよ。単立ならば本山を持たないから、上納金を納める必要もない。自分の思い通りに寺が運営できるとなりゃー新しい住職だって、お経をとなえる声が一段とはずむってもんだろ」

ところで文化庁はこのような事態をどう受け止めているのだろう。田上氏が脱税の手助けをしているのは明らかだ。宗務課の担当者は説明する。

「宗教法人の売買を取り締まる法律はありません。したがってかならずしも違法ではないか、容認できないというのが行政側のスタンスです。こうしたケースについては、いったん宗教法人を解散して、もういちど再建することをすすめてます」
現在、東北の片田舎にひっそりと建つH寺は、その存続さえも危ぶまれている。熱心な檀家たちのためにも、田上氏にはひと汗もふた汗もかいてもらいたい。