本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

売春婦連続殺害事件の死刑囚

1967年、当時19歳の渡辺清は日雇い人夫として売春婦相手の女遊びを生き甲斐に暮
らしていた。

同年4月24日深夜、愛知県内のホテルで売春婦の女性(当時36歳)が追加料金を支払ったにもかかわらずコンドーム無しの性交を拒否したため口論となり、彼女を絞殺して現金約3万5千円を奪って逃走。

4ヶ月後の8月5日には大阪府内で通りがかった男娼(同26歳)をナイフで刺殺、約200円を奪った。
 その後、窃盗事件等を起こして逮捕され、約1年間中等少年院に入所。
出所後の1972年4月10日、大阪府内で売春婦(同39歳)と性交後に「金がない」と言ったところ詰問されたために絞殺。
現金約2千円を奪い、さらに1973年3月20日に大阪府内で売春婦(同40歳)を性交後に絞殺し、現金2万2千円を奪った。
 強盗・殺人罪で逮捕・起訴された渡辺被告に対し検察は死刑を求刑したが、大阪地裁は事件当時、被告が未成年だったこと、犯行に計画性がないこと、犯行の背景に被告が貧しい家庭に生まれたことなどの成育歴、家庭環境が大きな要因となっていることなどを理由に無期懲役の判決を下した。
 一審判決後、渡辺被告は慰謝料として1件目、3件目の被害者の遺族に2回にわたり、それぞれ7万円ずつを送っている。また4件目の被害者の遺族にも5万円を送金したが、これは後に受領を拒否され返金された。

さらに各遺族へ謝罪と反省の手紙を出しているが、被告には精一杯の金額であるとしても慰謝料としてはあまりにも過小な額で大きく考慮できないとして、被害者遺族の厳罰感情は消えなかった。
 控訴審では、6年間で4件の強盗殺人事件を犯したことは極めて重大であり、法としても国民感情としても死刑に値する事案と見るのが相当。

1件目は計画的ではないかもしれないが、コンドームを使用しない性交を拒否することが特別の酌量事由には当たらず、さらに被告は日陰の存在である売春婦や男娼ばかりを狙って犯行を繰り返しており、習癖性を疑わざるをえないとして一審判決を破棄、死刑を言い渡した。
 しかし、最高裁が判決を確定するまでの間、判決の土台となる報告書作成を担当した最高裁第一小法廷の調査官が1967年の男性殺害については無罪、1972年の女性殺害についても審理のやり直しを主張し、判事の1人がこれを支持。判事の全員一致が原則とされる死刑判決の言い渡しが事実上できなくなっため、審理が一時停。最高裁が上告を棄却し死刑が確定するのは高裁判決から10年が経過した1988年のことだった。
 渡辺死刑囚は前記2件に関して無罪を主張し、刑確定後から再審請求を続けているが、2014年までに8回の請求が棄却され、2022年6月現在は第9次再審請求中である。