本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

睡眠薬を使ったレイプや犯罪がなくならないのは簡単に手に入るからだ

 

半年経っただけでずいぶん昔の
ことのように思えるが、今年初め、
いわゆる劇薬を悪用した事件が重
なり世間を騒がせた。


睡眠薬で女性を眠らせ凍死させ
た事件をはじめ、インターネットで購入したクロロホ
ルムを使ってレイプしようとした男性もいた。


なんでこんなに劇薬が世間に出
回っているのかとワイドショーの
コメンテーターたちは首を捻って
いたが、あまりに現実を知らなさ
過ぎる。その気になれば、睡眠薬
などいくらでも手に入るのだ。


実は私も医師の処方菱がないと
入手できない向精神薬を売って1
千万の金を稼いだ1人なのである。

小さいころからクスリが大好き
だった。母親が、ちょっと具合が
悪くなると

「ノドが腫れてるから
抗生剤と消炎剤、それに胃薬も飲
んどこうね」

などと何種類ものクスリを出してくる人だったので、
モロ影響を受けちゃったらしい。
物心がつくと「医者からもらっ
たクスリがわかる本」等の専門書
を読みあさり、商品名を聞いただ
けで中に含まれている成分がわかるいっぱしのマニアになっていたc
そんな私が最初に睡眠薬を手に
入れたのは、6年前の高校3年の
秋。ある日、休み時間に教室でウ
トウトしてたらクラスメートの話
が耳に飛び込んできたのである。


「私、夜寝られへんから医者に行
ってんやんか。そしたらクスリい
っぱいくれんねん」
ちょうど完全自殺マニュアル
が出たばかりだった。発売と同時
に読んだ私は、医者の処方がない
と手に入らない睡眠薬や精神剤などの規制医薬品ってヤシ
に憧れを抱いてたものだから、すっ飛んでって話を聞いた。

「ねえねえ、どんなクスリもらったん」
彼女がカバンから出して見せて
くれた大きな薬袋には大小様々な
錠剤が入っていて、中でも私の目
を引いたのは「ジアゼパム」とい
確か、あれって自殺マニュアル
に出てた精神安定剤だ。

へえ-、1回行っただけでそんなクスリがもらえちゃうのか。
羨ましくなった私は、さっそく
その日の放課後、近くの大学病院に駆け込んだ。
「なんか変なモノが見えるんです。
もう死にたくて」
診察室で医者に症状を聞かれる
と、おもいっきり派手にぶちかま
した。本にも規制医薬品の入手は
難しいと書いてあったし、単に眠
れないなんて言っただけじゃもら
えないと思ったのだ。


が、これはやり過ぎだったらし
い。その医者は、私が予想もしな
いほど大量のクスリをくれた。し
かも、「あなただけの問題じゃあり
ませんから、次は必ずご家族の方
と一緒にいらっしゃい」と、モノ
凄く深刻そうな顔つきで言うのだ。
家に帰ってクスリを調べてみた
ら、精神分裂病患者と診断された
ようだ。ジアスパムより強力な「抗うつ剤」なるものが何種類も処方されていた。
さすがにそんな強い薬は飲む気
になれず、一緒にもらった『ロヒ
プノール』という睡眠薬を飲んで
寝たのだが、ちっとも眠くなんかならない。
「なんだ-、こんなものか」
それが私と睡眠薬の最初の遭遇だった。

次に睡眠薬と出会ったのは22才のとき、急性盲腸炎にかかって入院した内科病院でのことだ。
病院ってのは従業員の勤務の関
係か、午後の5時には夕食が済み、
9時になると消灯時間になってしまう。

3才年上のサラリーマンと結婚し、専業主婦となったものの、
ツーショットのサクラで稼いではホストクラブなどで夜遊び放題し
ていた私が9時になんか眠れるわけがない。


すると、ちょっと夜更かしした
だけで看護婦さんが睡眠薬や、と
きには精神安定剤なんかをバンバ
ン出してくれたのだ。
「これ飲むとよく眠れるわよ」と
言うだけで決して睡眠薬とは説明
しないが、そんなの詞くればすぐ
わかる。
それにしても、灯台もと暗しと
いうかなんというか。当時は睡眠
薬の乱用が社会問題になっていて、
連日のようにどこどこ病院からハ
ルシオンが盗まれたとか、路上で
売買していた暴力団員が捕まった
などと報道されていたのに、そん
なのどこ吹く風。当の病院がこん
なに乱発するようじゃ、悪用する
なってのがムリな話。


だいいち病院内でも、堂々とク
スリの売買は行われていた。
私はタバコを吸っために喫煙所
へよく行ったのだが、そこには長
期入院してるらしいオジサンたち
が集まってきて気軽にクスリをや
り取りしていたのだ。


「オレにはこれ効かんわ。そっちのくれんか」
「おお、タバコー箱でいいわ」
患者の症状に合わせて処方して
いるのだろうに、そんなのおかま
いなし。挙げ句、私にも「ねえち
ゃん眠れんの。ハルシオンはよう
効くで。1錠千円でどうや」と、
売りつけてくる。
私が「そうか。飲まないクスリ
を売れば儲かるな」と考えたとし
ても当然のことなのだ。
しかし、本格的にクスリを売り
始めたのはその半年後からだ。


なんだか本当に夜、眠れなくな
って、喜び勇んで医者に出向くと、やっぱり大量のクスリが処方された。
まず、毎食後に不安を抑えるクスリ。加え、世間で人
気沸騰中のハルシオンが1日4錠の割合で1週間分もまとめてもらえたのだ。
しかも、抗不安剤の中には、自
殺マニュアルご推薦の劇薬ウイ
タミンもあった。本で体重60キ
ロの人の致死量は〜360錠と
紹介されていたが、それが1回の
診察で簡単に何十錠も手に入ってしまう。
「うわあ、こんなんでいいの」と
思ったが、さすがにウイタミンは
チョー効いた。1錠飲んだら翌朝
まで爆睡もいいとこだ。
とりあえず毎週通うと、「今度
は違うの飲んでみましょうか」と、
セルシン、ベンザリン、ダメトー
ル、ソフミンなどなど、様々な種類のクスリをくれた。
が、クスリの量が半端じゃない
分、診察代もバカにならず、保険
を使っても1万近くとられる。
こりや早く元とらなくちやと考えた末、伝言に入れてみた。
「安定剤、睡眠薬売ります。希望の方は連絡先を入れてください」
こっちの身元がバレるのが心配
だったので、向こうの電話番号を
聞いて私からかけることにする。
最初にアクセスしてきたのは、
20代後半ぐらいの男性だった。
「僕、大手の企業に勤めてるんだけどプレッシャーがキックて眠れないんだ」
かといって、自分で精神科の病
院に行けば通院履歴が会社に報告
されてしまうからそれはできない。
だから内緒で売ってほしいと言う。


「何が効くのか試したいから色ん
な種類を混ぜて1錠1500円ぐらいどうかな」
私に異存はない。1錠1000
円がいいとこかと思ってたのだか
ら1500円もらえれば万々歳だ。
そのときは、相手の名前と住所
もわかってる上、話してみたらい
い人っぽかったので自分の郵便口
座を使って代引きにしてしまった。
「僕はいいけど、こういうことや
るんだったら架空口座を作った方
がいいよ」
私もヤバイと思ったので、その
人のアドバイスに従い、家から1
時間ぐらい離れた街の銀行に行って偽名口座を作ることに。

「今日、身分証忘れちゃったんで今度持ってきます」と、窓口に言ったら簡
単に受け付けてくれた。
それからは、口座に先払いしてくれた人にだけ、証拠の残らない普通郵便で郵送することにした。

「僕は自称ストーカーです。会社
の女の子をどうしてもモノにした
いので睡眠薬を飲ませようと思ってます」
「対人恐怖症なので、病院に行っ
ても先生が恐くなって帰ってきて
しまいます。どうか僕に精神安定
剤を売ってください」
「彼氏としょっちゅうケンカして
るので、近いうち別れると思うん
です。そのとき飲みたいので睡眠
薬を希望します」
「5000円ぐらいで売ってください」
レディコミの伝言広告を見て、
1日4,5番組のオープンボック
スにメッセージを吹き込むと、返
事が続々返ってきた。
とりあえず、口座に振り込んで
来た人にはクスリを郵送していた
が、明らかに未成年者だとわかる
場合は最初からパスした。
だって、睡眠薬をやる女子高生
なんかに売った日には、相手が補
導され、そこからアシが付くのは
時間の問題。そんなことになった
らおしまいだ。
とはいっても、実際のところ相
手がどんな人間か電話だけで判断
するのは難しい。なるべくビジネ
スライクに徹し、相手のことも何
に使うのかも聞かず売りまくった。
が、こうしてアクセスしてくるの
は客ばかりではない。ときには、
医者からのメッセージが入ってい
たこともある。
「開業医の精神科をやってます。
入院施設のないクリニックですが、
どの種類のクスリでも入手可能で
す。できればクロロホルムを小売
りしてくれませんか。卸します」
コンタクトを取ると、卵才ぐら
いのガラガラ声のおっさんで、
「患者のつきが悪くて経営苦しい
んや。今は流させてるんやけど、あんたやってくれへん?」
だって。聞いたら、ハルシオンが1錠2
000円と卸単価が高かったし、
筋注(筋肉注射)まで売るとか言
ってヤバそうだったので、取り引
きするのはやめといた。

銀行の口座も徐々に増え、順調
に思えたが、すぐに困ったことに
なった。客がみんなハルシオンを
ほしいと言うのだ。
「あんなの大して強いクスリじゃ
ないですよ。他にもっといろんな
のがありますけど」
自殺マニュアルなどを引き合い
に出して説得してみるが、やっぱり知名度がモノをいう。どうせ買
うなら誰もが知ってるブランドの方がいいのだ。
となれば、客がほしいものを提
供するのが私の仕事。タウンペー
ジをひっくり返し、精神科・神経科・内科など心のケアをうた
ってるところを見つけ、せっせと病院回りをした。
だが、さすがに悪名高きハルシ
オン。自主規制して出さないよう
にしている医院も多い上、苦労して処方してくれるところを見つけ
ても、1日1錠で5日分なんて具
合で数が集まらない。
穴場は精神科などない総合病院
の内科。胆石で入院したときのこ
とを思い出し、大学病院に行って
「動惇がして眠れない」と訴えて
みたら簡単にハルシオンを出して
くれた。
が、いくら1錠2000〜30
00円で売ったところで、とても
労力に見合った稼ぎとは思えない
のである。
よくよく原因を考えてみれば、
診察代が高すぎるのだ。新しい病
院に行くたび、初診料とクスリ代
を払うと1回3〜5000円は当
たり前。それでハルシオンがもら
えなかったら足が出てしまう。
が、ある日、簡単に解決してし
まった。顔なじみになった病院の
先生に相談してみたら、

市役所に行って申し込み用紙をもらって
きたら公費負担の手続きしてやるよ

と言うのだ。
さっそく市役所に問い合わせる
と、精神障害がある市民に対し、
保健所が病院代を負担してくれる
制度があるらしい。速攻で窓口に行き、用紙をもら
い病院に戻ると、「本当は請求す
るほどの病気じゃないんだけど、
ま、分裂型障害って書いておきま
しょう」と申し込みをしてくれた。
正式にはそんな病名は存在しな
いのだが、それでもその日から診
療費がいきなり120円になって
しまった。

売買と併行してやってたのが、ホストクラブへ流すことだ。
友だちの彼氏がホストをやって
たので、ミナミの某クラブに彼女
とちょくちょく遊びに行ってたの
だが、ある晩、私が睡眠薬を売っ
てることが話題になった。
そのときは、ちょうどお客のメ
インである水商売の女の.たちが
やってくる前のヒマな時間帯で、
みんなが集まってだべっていた。
「こいつ、睡眠薬売って儲けてるんだよ」
なんでそんな話になったのか忘
れたが、友だちがそんな風に言う
と「え-、マジマジ」「何があんの」などと、質問の嵐。
中でも店長は、どこで手に入れ
てるのとか、何錠あるのなどと熱
心に聞いてくる。そして「ハルシ
オンがあるんだったら売ってくれ」
と真剣な顔で言いだしたのだ。
翌日、私が開店直後にありった
けのクスリをスーパーの袋に入れ
て持っていくと、「マジであるじ
ゃん」と、大騒ぎになった。
店長は、何に使うのかは言えな
いと言いながら(たぶん客に又売
りするのだろうが)、100錠を拓
万でお買い上げ。別のホストくん
が加錠を7万で、後は「オレ5錠。
色つけて7千円」とか、1錠2錠
を1千、2千円とお札をテーブル
にボンボン置いて買ってくれた。
結局、その日だけでハルシオン
や何やかやまぜて170錠ぐらい
売れて帥万に。店長は、こっそり
「ハルシオンが手に入ったらまた
売ってくれ」と耳打ちし、このホ
ストクラブはいつでも確実に売れ
る販売ルートになった。
こうして、順調といえば順調に
クスリは売れたのだが、肥年にな
ると、自分で直接客に売るのはヤ
バイんじゃないかと思うようになった。
1年以上もヤバイ商売をやって
いれば、普通に考えて、どこから
足が付いていてもおかしくない。
こんなことは、もう辞めようと決
心した。
が、クスリは大量に余ってる。
そこで仲良くしてる近所の主婦友
だちに、小売りをやらないが誘っ
てみた。彼女の趣味はインターネ
ットなので、伝言ダイヤルより安
全だと思ったのだ。
二つ返事で快諾する彼女に、学
生・未成年には売らないことをキ
ック言い含め、さらに偽名の銀行
口座を渡す。卸値は、ハルシオン
が1500円で、他は一律100
0円だ。
さすがインターネットはリアク
ションが早く、その日、ちょっと
危なげな掲示板にメッセージを書
き込むと見てる間にメールが帰っ
てきた。
「死にたいけど恐くてできません。
クスリだったらできそうなのでください」
もちろん、こんなのはパスした
が、友人の話によると、インター
ネットにはミュージシャン系の人が多くアクセスしてきたという。
もちろんアマチュアがほとんど
だが、中には「誰とは言えないけ
れど、あるタレントのマネージャ
ーをやってます。そのタレントは
睡眠薬を飲んでテンションを上げ
てる人で、クスリがないとダメな
んです。病院に行けないので闇で
面且つしかありません。1錠1万で
どうでしょう」なんておいしいメ
ールもあったそうだ。
彼女は相手の足元を思いっきり
みて、睡眠薬とウインタミンなど
の安定剤を取り混ぜ1錠3万で、
鋤錠売りつけたらしい。このとき
はさすがに羨ましく、ちょっとだ
けおすそ分けしてもらった。
それにしても、大阪出身でいま
は東京に拠点を移したグループの
1人だというそのタレントっての
は誰だろう〃売らなくて済むようになると、
今度は自分で睡眠薬をやるように
なってしまった。お酒と一緒に飲
むと幸せな気がして、何を見ても
聞いても爵だ.4,5錠飲んで、この上なく幸
せ気分で、そのうち眠くなるのを
我慢してると体がポワつとしてき
て、それがやめられない。
3カ月ぐらい続けてたら飲まな
いとおかしくなって、3日ぐらい
一睡もできなかったと思うと、わ
けもなく泣き出したりするように
なった。
こりやマジでヤバイと思って病
院通い。けど、まさかクスリで遊
んでるなんて言えないから「他の
病院でもらったクスリを飲んだら
体に合わないのか眠れなくて」と
話すと、また同じ様なクスリをど
んどん出してくる。
「いきなりやめちゃいけない」と
言われ、そのまま続けてるうちに
どんどんキッいクスリに手を出し
ちゃうから、手が震えたり、しゃ
べってもロレッが回らなかったり。
酷いときには生理も止まるし、顔
の筋肉が硬直して口が閉まらなく
なっちゃったり、もう散々。
そうなってしまうとさすがに旦
那もムシできないようで、慌てて
鏡の治療院に引っ張ってってくれ
た。軽い抗不安剤を飲みながら、
週に2回鍍を打ちに通うこと約2力月。
クスリを辞めんのにクスリを飲
まなくちゃいけないっていうのも
変な話だけど、いきなり辞めると
落ち込んで死にたくなるらしい。
完全に立ち直ったと自信を持て
るようになったのは、肥年も暮れ
のこと。もう二度と精神病院なん
か行くものかと心に誓った。

こうして天国と地獄を見ながら
約1年半にわたって睡眠薬&安定
剤を売り儲けた額、トータルで約
1千万弱。
概算でしかわからないのは、毎
日毎日、口座に細かく入ってきた
ものだから、パチンコとか競馬に
消えてしまいハッキリとはわから
ないのだ。
唯一、ドーンと買った大きなも
のといえば200何十万だかのエ
ステチケット。2時間の全身スペ
シャルコースをやってもらうため、
クスリにハマリながらもエステテ
ィックサロンに通い続けた。
それにしても、いまだにクスリ
にまつわる事件を見聞きするたび、
もしかしてあれが私でもおかしく
なかったんだなと、ゾつとする。