本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

霊感商法で荒稼ぎの手口

「何も話さなくても結構です。」

この水晶を見てごらんなさい。なんか、ご家庭がガタガタしてるようですね。お子さん

悪い遊びをなさってる。あなたが一生懸命に家庭のことを考えて悩んでるのにご主人は知らんぷり。辛いお立場ですね。

九州の地方都市。週末になると心の悩みを抱えた人たちが、松尾氏(仮名、39才)の家を訪ねて<る。氏の副業は浄水器の販売だ。それがなぜ人生相談を?

「男は外で働いてるから家のことがわからないんですよ。お子さんとご自分はあなたが守らないと。それにはご自身を浄化する必要がありますね。まず口から入るモノをキレイにしとかないとね。

失礼ですが、水はどんなモノ飲んでらっしゃる?えっ、水道水をそのまま?それじゃあ気が汚れるわけだ。悪いカルマがお子さんの代まで崇りますよ。何なら私が使ってる浄水器をご紹介しましょうか。
なんと松尾氏、悩みを聞いては汚れた水を飲んでるのか原因だと、定価13万の浄水器を25万で売りつけているのである
まずは奥様方に悩みを吐き出させる
不動産屋に勤務する松尾氏が、この悪どいサイドビジネスを始めたのはいまから3年前のこと。テレビなどで活躍する坊さんか、事前に弟子に相談者の悩み事を聞き出させ、あたかも霊感かあるかのように振る舞い莫大な金を稼ぐと読んだことがきっかけだ。

悩んでる人ってのは、そんなことで駆されるのかねそのときは読み流したものの、翌日、会社にやってきた一浄水器屋の顔を見てひらめいた。その営業マンの口癖が「卸値にするから買ってよ」だったのだ。
自宅に浄水器を取り付けてる氏は、品物に間違いがないことは知っていた。普通にセールスしてもそこそこ売れるけど、霊媒師のフリすりゃ、バカスカ売れるんじゃなしカ―松尾氏は浄水器屋と交渉、定価13万の商品を7万にしてもらうことで話を付けた。残る問題は集客だ。

にわか霊感師の話を信じて金を出しそうな相手はとこにいる。熟考の末、近所に住む小島さんの奥さんに話を持ちかける町内のスピーカと噂される彼女とは、何年か前に一緒にPTAの役員を務めた仲だ。

「ってワケで、家庭がトラブってる奥さんを紹介してもらえないかな。話がまとまればお礼はするからさ」

さっそく翌週末には客がやってきた。予め小島さんが悩み事を聞き出して松尾氏に耳打ち解決には浄化した水が効果的だと話を進めるはずだった。

が、「どうしました」と松尾氏が水を向けるや主婦たちは怒凄のようにしゃべり出す。そして悩みを吐き出すとスッキリした顔で帰っていくのだ。浄水器の話を持ち出すヒマなどありゃしない。試行錯誤の結果、松尾氏は水晶のペンダントを購入客の目前にかざした.

「何も言わなくてもこの。水晶がすべてを教えてくれる」という殺し文句を編み出した。
そのころ、ある男性客が氏の元を訪れる。食品会社をリストラされ家庭内も険悪な状態に。これから先、どうすればいいのかわからないと泣きついてきたのだ。まさか、リストラに浄水器もないだろう。困った挙け句、氏はあてずっぼうでいった。
「来週水曜の新聞にあなたの人生を変える情報が載ってます」
と、次の週末、その男性が20万の謝礼を持ってきた。水曜日の新聞に出てた求人広告に応募したら前職より高給で再就職が決まったのだという
「あのときはホント驚いちゃいましたよ。適当なこと言ったのに、先生のお陰だってオレのこと拝むんだもん。あれでハクが付いたっていうか、徐々に浄水器も売れるようになってね」
小島さんが同窓会やカルチャースクールで宣伝に務めたせいか、いまではクチコミで関西や四国からも相談者が訪れるのだという。もっとも25万を即金で払える人は少ない。そこで松尾氏はクレジット会社と契約し、さらに8万円の水道管に直接取り付けるコンパクト型も用意。年に1度のフィルター交換には3割のキャッシュバックもいただくことにした。まさにボ口儲け状態だが、ただの浄水器が25万円はいくらなんでも高すぎる。後で文句が出そうだが
「それは外でいろいろな情報を得てるからですよ。主婦って世界が。狭いし、まして悩んでるときは回りが見えないでしょ。半日、話を一聞いて『あなたも大変一だね』って言うだけで救われるのよ。それに浄水器ってフィルターが赤く汚れてくのが目で見えるから、感謝はされてもクレームなんて言われないですね」
今年の春からは1200円で仕入れた水晶のペンタントを5万で売り出し始めた松尾氏。ただいまの稼ぎは、ひと月平均80万円という

「会社を辞めようか、いまそれで悩んでるんですよ」