本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

ラブホテル、公園やスーパーの駐車場にカップルでいたという理由で不倫を脅迫

ある日届いた真っ白な封筒。裏返しても差出人はない。
ダイレクトメールだろう。
気軽に封を切ると、中に入っていたのはそっけないワープロ打ちが1枚。
つまり相手は、不倫をバラされたくなければ、10万円を出せと脅迫しているのである。
もちろん、心当たりがないなら考える必要はない。
手紙を持って警察に届ければいいだけのこと。銀行口座から犯人が摘発され、感謝状の1枚ももらえるかもしれない。

が、問題は浮気の事実があった場合だ。
会社に乗り込まれでもしたら最悪、クビになりかねない。10万ならなんとかなる額だし、この際、払っちゃうか

一昨年、神奈川のラブホテルに出入りする3ナンバーの車の所有者にバラ撒かれた約900通の脅迫状に対し、111人が約1200万あまりを振り込んできたという。

同じような場面に遭遇したら、さてあなたならどうする?

被害者が届けを出したがらないため公表される事件数は少ないが、この手の個人恐喝は日常的に頻発している。手口は前記したように、ラブホテルはもちろんのこと、公園やスーパーの駐車場にカップルでいたという理由だけで、車のナンバーから所有者を調査、脅迫状を送りつけるというもの。
結果、1人でも2人でも勝手に金を振り込んでくれれぱラッキー

住所はおろか、興信所の名前や携帯番号も記されてなければ十中八九でっち上げ。放っておけばいい。
(そんなこと言っても無視して証拠写真を公開されたらシャレにならん。10万くらいなら金を払っちゃえ)
そう思うかも知れない。
10万円で安心が買えるなら安いモンだと。が、金を払えば問題は解決するのだろうか。
答は否である。金を出す、イコール脅迫者に自ら不倫の証拠を与えてしまうことだ。「あとは10万じゃ足りないから、もう、10万出せ」
と相手にしつこくつきまとわられるのがオチだろう。
対処法の正解は、黙って向こうの出方を待つ。これしかない。本気で脅す気があれば、改めて証拠をほのめかすぐらいのことはしてくるはず。いきなり証拠の写真や怪文書をバラ撒いたところで、相手は一銭の得にもならない。
「ホント、脅迫状を読んだときは目の前が真っ白になりましたよ。アタマの奥でガーンって音が聞こえましたもん、いやマジで」

そう話すのは手紙を受け取ったM氏だ。埼玉の奥さんの実家で暮らし、東京の勤務先までマイカー通勤する37才である。
何でも2年来の愛人がいる他、馴染みのキャバクラ嬢と店外デートしたり、地方出張でハメを外すことも少なくないという。
「考えれば心当たりはアレコレありましたから、もうパニックでしたよ。写真でもバラまかれれば家は追い出されるし、女性の多い職場ですからよくても地方へ左遷でしょうね」
しかしM氏の場合、思い当たる節が複数あったことが幸いした。いつ誰と会ったときのことかと、手紙の隅々までチェックして気が付いた。指定された口座は東海エリアの地方銀行で、手紙の消印は大阪。
(オレの担当は北関東だから、ここ何年も西に出たことはないし。いくら全国にネットワークがあっても、大阪から郵送するなんておかしいな)
支払うべきか、無視するか。悩んでいるところへ電話が来た。
「まだお振り込みいただいてないようですが、このまま私どもが所有している証拠を会社と奥様にお送りするということでよろしいわけですね」
「最近、大阪の方へはでかけたことないんですが、これはいつごろの話ですか。私、どんな女性と一緒でした?」
答に詰まる相手を見てMさんはハッタリをかました。
「あなた本当は証拠なんて持ってないんじゃないですか。先日の手紙は警察に届けますから」
相手の男は慌てて電話を切り、以後、現在まで手紙も電話もないそうだ。