本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

霊感師のフリして高額商品を売りつける霊感商法

「何も話さなくても結構です。
この水晶を見てごらんなさい。
…なんか、ご家庭がガタガタ
してるようですね。お子さん
が悪い遊びをなさってる。あ
なたが一生懸命に家庭のこと
を考えて悩んでるのにご主人
は知らんぷり。辛いお立場で」

家を訪ねてくる。氏の副業は浄水器の販売だ。それが、なぜ人生相談を?

「男は外で働いてるから家のことがわからな
いんですよ.お子さんとご自分はあなたが守
らないと.それにはご自身を浄化する必要が
ありますね.まず口から入るモノをキレイにしとかないとね。

失礼ですが、水はどんなモノ飲んでらっしやる?
えっ、水道水をそのまま?それじゃあ倉畢が汚れるわけだ。悪い
カルマがお子さんの代まで崇りますよ。何なら私が使ってる浄水器
をご紹介しましょう

なんと松尾氏、悩みを聞い
ては汚れた水を飲んでるのが
原因だと、浄水器を売りつけているのである。

不動産屋に勤務する松尾氏
が、この悪どいサイドビジネ
スを始めたのはいまから3年
前のこと・テレビなどで活躍
する坊さんが、事前に弟子に
相談者の悩み事を聞き出させ、
あたかも霊感があるかのよう
に振る舞い莫大な金を稼ぐと
のゴシップ記事を読んだことがきっかけだ。

そのときは読み流したもの
の、翌日、会社にやってきた浄水器屋の顔を見てひらめいた。その営業マンの口癖が、
「卸値にするから買ってよ」だったのだ.

氏は、品物に間違いがないことは知っていた。普通にセールスしてもそこそこ売れる。
けど、霊感師のプリすりや、バカスカ売れるんじゃないか
松尾氏は浄水器屋と交渉、商品を7万にして
もらうことで話を付けた。残
る問題は集客だ。にわか霊感
師の話を信じて金を出しそうな相手はどこにいる。
熟考の末、近所に住む小島
さんの奥さんに話を持ちかけ
る。町内のスピーカと噂され
る彼女とは、何年か前に一緒
にPTAの役員を務めた仲だ。
「…ってワケで、家庭がトラ
ブってる奥さんを紹介しても
らえないかな。話がまとまれ
ばお礼はするからさ」
さっそく翌週末には客がや
ってきた。予め小島さんが悩
み事を聞き出して松尾氏に耳
打ち。解決には浄化した水が
効果的だと話を進めるはずだった。

松尾氏が水を向けるや主婦た
ちは怒涛のようにしゃべり出す

そして悩みを吐き出すと
スッキリした顔で帰っていく
のだ。浄水器の話を持ち出す
ヒマなどありやしない。
試行錯誤の結果、松尾氏は
水晶のペンダントを購入。客
の目前にかざし『あ・なたが
何も言わなくてもこの水晶がすべてを教えて
くれる』という殺し文句を編み出した。
感謝こそあれクレームは皆無
ちょうどそのころ、ある男
性客が氏の元を訪れる。食品
会社をリストラされ家庭内も険悪な状態に。これから先、どうすればいいのかわからないと泣きついてきたのだ。
まさか、リストラに浄水器もないだろう。困った挙げ句、氏はあてずつぼうで宣った。

「来週水曜の新聞にあなたの人生を変える情報
が載ってます」と、次の週末、その男性が謝礼を持ってきた。水曜日の新聞に出てた求人広告に応募したら前職より高給で再就職が決まったのだという。

「あのときはホント驚いちゃいましたよ。適当なこと言ったのに、
先生のお陰だってオレのこと拝むんだもん.
あれでハクが付いたっていうか、徐々に浄水
器も売れるようになってね」

小島さんが同窓会やカルチャースクールで宣伝に務めた
せいか、いまではクチコミで関西や四国からも相談者が訪
れるのだという。
もっとも溺万を即金で払え
る人は少ない。そこで松尾氏
はクレジット会社と契約し、
さらに8万円の水道管に直接
取り付けるコンパクト型も用
意。年に1度のフィルター交
換には3割のキャッシュバッ
クもいただくことにした。
まさにポロ儲け状態だが、
ただの浄水器がいくらなんでも高すぎる。後で文句が出そうだが。
「それは外でいろいろな情報を得てるからですよ.主婦って世界が
狭いし、まして悩んでるときは回りが見えないでしよ.半日、話を
聞いて『あなたも大変だね』って言うだけで救われるのよ・

それに浄水器ってフィルターが赤く汚れてくのが目で見えるから、

感謝はされてもクレームなんて言われないですね」

今年の春からは1200円で仕入れた水晶のペンダントを5万で売り出し始めた松尾氏。
会社を辞めようか、いまそれで悩んでるんです