ゴールデンウィーク中の2000年5月4日深夜12時30分頃、茨城県のスーパー駐車場で、交際中の女性(当時22歳)と一緒にいた牛久市岡見町の土木作業員・藤井大樹さん(同17歳)が男4人組に因縁を付けられ非常階段に連れ込まれた。
女性が犯人の1人に拘束されている間、藤井さんはおよそ30分にわたり無抵抗のまま殴る蹴るの暴行を受け続け、所持金数千円を奪われる。
藤井さんの顔は原型をとどめないほど膨れ上がり、意識不明のまま、9日後の5月13日に死亡した。
茨城県警竜ケ崎署は事件時に藤井さんと一緒にいた交際中の女性の目撃証言をもとに2人分の似顔絵を作成、報道機関に提供した。
が、警察庁の判断で、犯人4人が少年である可能性が高いことからポスターなどの掲示は見送られることになる。
その後の捜査で、4人とよく似た若者が事件の2時間前、現場近くのコンビニエンスストアに立ち寄っていたことがわかり、防犯カメラの映像をもとに4人の詳細な似顔絵を作成。しかし、前記の警察庁の判断があったため報道機関には提供しなかった。
事件から数ヶ月が経っても有力な手がかりが得られなかった同署は独自の判断で署のホームページに4人の似顔絵を掲載し、情報提供を呼びかけた。
一方、藤井さんの両親は1ヶ月ほど前に飲食店で4人の似顔絵が張ってあるのを見つけたものの、その後署に問い合わせたところ
「少年法の規定で公開できないと剥がされてしまった、と返答があった。どうして公開できないのか不思議だ。ホームページが良くて、ポスターやビラが駄目な理由がわからない」
と不満を表明する。
2003年12月、警察庁は凶悪事件では少年でも例外的に写真や似顔絵、住所、氏名などの捜査資料を公開する運用基準を決定。
翌年2004年5月には正式に4人の似顔絵を公開したが、最も犯人逮捕につがなる可能性が高い防犯カメラの映像が公開されたのは、事件から17年後の2017年5月。
世間からは、茨城県警のあまりに遅い対応に非難が集中した。
2023年4月現在、40歳近くになっている犯人たちは誰一人捕まっていない。
動画が公開され、顔も動きも広く認知されているはずなのに、なぜ解決に至らないのか。事件の裏に闇が広がっているのかもしれない。