本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

エ事現場の白骨死体が発見されない本当の理由

『生コン業者の鬼畜」

ビル底に死体を埋めるなんて想像だけでも身震いものだが、建築現場で働くオレにしてみりゃ、別に驚くことじゃない。白骨死体に口がない理由を、現場作業員のオレからも説明させてもらおう。

建築現場では多くの職人が分業体制で仕事をしている。

ビルの骨組み専門のトビ職に始まり、鉄骨屋にペンキ屋。

中でも、オレが得意とするビールやマンションの基礎土台造りは、地面をユンボで掘り返すところから作業が始まるぶん、厄介者との遭遇確率が非常に高い。

厄介者とは、死体じゃない。縄文土器や弥生土器だ。

東京なら大森地区、神奈川なら横浜の港北区。土器が頻出するのは、再開発されたエリアに多いのだが、もし、ここで国宝クラスの古墳でも発見されれば、建物は一生日の目を見ない。それでも街が大きくなるのは、何事もなかったかのように、工事が進められていくからだ。

歴史の財産からしてこの程度の扱いなのだから、単体の白骨死体など何をか言わんやだろう。

もし、警察が動けば、最低でも1週問は捜査が続き、その間の工費は施主持ちである。余計な負担をかけるな、とオレたちが怒鳴られるのがオチ。

正直、そんなトラブルはゴメンだ。

これは、解体屋でも事情が同じで、マンションの基礎工事部分を取り壊して出てくる骨たちも、閣から闇へ葬り去られていく。

それに、いざ訴え出たところで、被害者や加害者を特定するなど99%ムリなのだ。あれは、確か台東区の現場だったか。

朝7時半、マンションの建設予定地をユンボで掘り返していたところ、今までに見たこともない大量の人骨が出て来た。

ざっと数えて10-20人。どう見ても現代人のソレである。さすがに警察へ訴え出るしかないか。観念しかけたとき、現場監督が目を吊り上げる。
「さっさと片付けろ」

「いや、でも、これは」

「どうせ、関東大震災か東京空襲の被害者だろう。構うことはねえ」

「--」

言われるままに整地作業を終えた翌日、入口脇に小さな祠が建てられていた。

「お前も手を合わせてやってくれ」

「は、はあ」

どうやら人骨は昨夜のうち。に、この真下へ移動されたらしい。たまにマンションやビル・の敷地一角に、小さな祠を見かけるが、あれは密かに死体が上がった場所と考えていいだろう。