本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

真面目な人ほど怖いという話・公務員の力ラ出張の手口と無くならない理由

出張に行くと見せかけ、全ての費用を自分のフトコ口に入れる。

ご存知「公務員の力ラ出張」だ。最近では情報公開条例やオンブズマン制度などで、その数も減少したと言われているが、実態は以前とまったく変わっていない

私のような役所勤めの一般事務員にとって、カラ出張は極めて日常的に繰り返される基本的な犯罪である。
いや、犯罪という認識すらない。むしろ、公務員でありながら、カラ出張の恩恵を受けないなんて相当目出たい人間だ。

さほどに公務員に浸透したカラ出張。税金を支払う一般庶民からしたら怒り心頭だろうが、そこにはシステムの根本的な欠陥があることにも注目されたい。

まず、領収書の扱いである。役所の出張は、上司から決済を受けた出張命令書に、指示された日時、訪間先、目的などを記入し提出すると費用が現金で支給される仕組みだ。問題はその後。一般企業なら、概算払いで受け取った出張費用は、帰社しだい領収書を添えて清算しなくてはならない。

が、役所の場合、日当、交通費、宿泊費等の金額の上限が、役職によって細かく設定されているものの、領収書は不要なのだ。
ということは、飛行機の代金を受け取り友人の車で移動したり、ホテル代わりに知人の部屋に泊まったところで誰にもわからない。
出張の報告方法にも穴がある。通常、出張を終えて役所に帰ってきたら、報告書で上司に報告するのがルールだ。いつからいつまで出張しました、その結果こうなりました、と詳細に記さなければならない。今でも若いヒラ職員たちは、真面目に報告しているはずだ。
しかし、彼らが係長や課長などに昇進していくと、事情は変わってくる。一定の役職に就けば、出張理由も自由。自分が必要だと言えば、誰に咎められることなく主張が通ってしまうのだ。

仮に、1 枚の書類を東京の関係省庁に提出する必要があったとしよう。普通に考えれば、郵送でも十分に事足りる。何ならFAXでもいい。

しかし、「この書類は担当者に直接会って挨拶を添えて渡した方がいい」と理由をつければ、それだけで出張目的となってしまう。仕事の細かい事情は担当課長にしかわからないため、課長の上役も〇Kを出さざるを得ないのだ。
さらに、復命(報告) する場合も書面に残らない口頭で済ませられるようになる。上司にたった一言「出張の件は問題ありませんでした」と伝えるだけでいいのだ。
ちなみに私が多く使ったのは日数をごまかして帰るパターンと、電車でいいものを飛行機じやないとダメと言い張るのだ。
もちろん、まったく行かずに旅費を全額懐に入れたこともある。領収書を出す必要もなく'出張理由まで自由に作れれば、無限にごまかせる。
皆さんにしてみれば、そんな穴だらけのシステ厶が存在すること自体おかしいと思っかもしれない。
しかし、そのシステムを公務員自ら作っているとしたらどうだろう。
地方自治体の法律とも言うべき条例は各市町村の議会で決まるが、細かい規則は役所の職員自ら定めるのが通例。ならば、そこで自分らの利に合わぬルールができるワケがないのだ。

むろん議員たちから文句は一切出ない。というのも、ことカラ出張に関しては、議員の方が上なのだ。
予算に関わる議題が取り上げられると、彼らは知識を得るために現地を視察し、その予算を執行させなくてはならないという大義名分を持つ。俗に視察出張と呼ばれているものだ。
足も手も伸ばし、若いバスガイドがついた大型バスに10人ぐらいで乗り込み、ご馳走食べてドンチャン顆ぎ。

若いころは、国民のためにこの身を捧げる覚悟を持っていても、長い年月ゆるいシステムに浸かっていれば、どんな人間も汚れていく。公務員のカラ出張はこの先もなくなることはないだろう。