本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

不倫相手の子供を中絶させられたのが一番悔しいから復讐したい

墓参りの代行や掃除の手伝い、借金の相談、
さらに最近は下半身の世話をする何でもお任せの便利屋業界であるが
、営業品目に〃嫌がらせ〃をうたっているのは、

日本広しと言えど都並氏(仮名)ぐらいだろう。


「むかついたから仕返ししたい」「酷い目に遭ったのでなんとかしてほしい」とい
う依頼を一手に引き受けている。

 

昨日、依頼をかけてきたのは

産婦人科の医者をなんとかしたい

って主婦だった。
患者として病院に通ううちなんとなく関係しちゃったんだけど、
旦那にバラされたくなかったら言うこときけって口ープやムチを出
してきて縛ったり叩いたりしたらしい。

で、

「あんなヤツとは知らなかった。あいつの化けの皮を剥がしてやりたい」ってわけ。
けど、相手の医者ってのが地元じゃ誰でも知ってる有名人なんだよ。

ま、そういう人間の信用を傷つけるにはスキャンダルがいちばんだからさ、サクラの女のコを近づけてSMプレイ中の写真をバラ撒こうかと思って。


CCDカメラをブランドもんのスカーフに包んでソファの上とか
に転がしておけば、盗撮なんか簡単にできるからさ。依頼人もおも
しろそうだって喜んでるよ。


料金?30万円

こんなの領収書切るわけじゃなし、相手の懐具合
を見ての言い値だよ。ま、普通の
主婦が出せる金額ってのはそんなもんでしよ。


さっそく明日、協力してくれる女のコを病院に送り込むよ。

手が早いらしいから、ちょっと色目使わせれば一発じゃないの。

「〃復讐代行〃とか〃別れさせ屋″なんて紹介されてるけど、オレは
動機にこだわってないの。中傷ビラを撒いたり、電話で脅したりな
んて仕事請け負ってるからターゲツトになった人間からすれば単な
る嫌がらせなんだ」


出てくる過激なことばとは裏腹に、昼下がりの喫茶店でコーヒー
をすする都並氏は、どこにでもいそうなサラリーマン然とした風貌の人物だった。

我慢は美徳なんて言いながら他人の悪口をメチ
ャクチャ言ってるけど、一般の人だって同じ。

今は泣き寝入りなんてしない。嫌な思いをさせられた
ら我慢なんかしないでやり返す。
それも、自分の手を汚さず、金を払って他人に恨みを晴らしてもらう世の中なんだよ。
オレが嫌がらせの依頼を初めて受けたのは3年ぐらい前。いまでもハッキリ覚えてるよ。

おどおどした女の声でさ、

「酷い目に遭ったんで私の代わりに復讐してもらえないかと思って」

って電話がかかってきたんだ。

聞いたら3年間、社内不倫してた上司に別の愛人がいて、問い詰
めたらいつでも別れてやるって逆ギレされてさ。

彼女はこんな男だったのかって見切りをつけて会社も辞めてやり直そうとしたんだけど、やっぱり腹が立ってしょうがない。退職金を全部使ってもいいから仕返ししたいって言う。
そんときね、こりや金になるなってピンときたんだ。だって、仕返しってのは多かれ少なかれ法律に抵触することをしなくちゃならないから、料金の相場なんてないだろ。

家出したペットを探したり、買い物の手伝いして何千円かもらうよりよっぽど稼げる。

その女は、相手の子供を中絶したのが一番悔しいって言うからさ、手術の同意書を使うことにしたの。
作業服を着て朝7時ごろ掃除業者のフリして会社に侵入してさ、

同意書の「父親となるべき人」の署名欄にある男のサインと捺印はそのまま、母親の名前だけ消したコピーを社内中のトイレと給湯室に貼ったわけ。

実働時間約30分。で、30万円。
でね、依頼人が元の同僚から聞いたところによると、ビラが社内で大問題になって、1カ月もしないうちに地方に飛ばされちゃったらしいよ。

相手の男は同意書みてすぐ誰の仕業かわかっただろうけど、後の祭り。依頼人はとっくに引っ越してたし。

依頼人から「これで本当にせいせいしました」ってお礼言われた
ときにはやっぱりうれしかったな