本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

タレントや犯罪者などの個人情報を売買していた警察官と興信所

公務員が職務上知り得た秘密を外部に漏らすとどうなるか。当然、バレない限りは問題ない。われわれブンヤ稼業など、警察官から秘密を聞き出すのが仕事のようなもので、仲良くなってしまえばなんてこともしばしばだ。が、世の中にはツイてない人もいるもので…。

地方公務員法、秘密漏えい違反の容疑で警視庁の巡査部長・成田(52才、仮名)が、同時に同そそのかしの容疑で興信所社長の谷村(42才、仮名)が、馨視庁捜査2課に逮捕された。

この不祥事、早い話が、警察官が特定個人の犯歴や住所といった情報を興信所に漏らしていたというもの。しかし、ある捜査員にいわせれば、「日常的によくあること」に過ぎない。ではナゼ、彼らだけがドツボに陥ったのか。その経緯や内幕を振り返ってみよう。

「元警視庁警察官が・犯歴情報を売買しています」
「なんだ、この資料。また変なタレコミか?」

警視庁の記者クラブ宛に差出人不明の分厚い資料が送り付けられた。

「警視庁警察官が、警察が管理する個人の犯罪歴情報を不正に入手し、売買しています」右のような書き出しで始まる告発文書と、25枚に及ぶシークレット調査の手書き受注リストが。文書中では、谷村や情報を漏らした実名に触れ、「(リストは)会社に出入りを認められている人物を通して、ねばりにねばった末に、ようやく手に入れたもの。どうかマスコミの力で真実を明らかにしてほしい」と強調されていた。

実際、リストを眺めてみると、依頼主に始まり対象者、担当者、調査内容、見積もり、報告などが克明に記載。調査内容は犯罪歴から風営法の許可、免許証から割り出す住所、戸籍、銀行ロ座番号、電話番号、パスポートナンバー、渡航歴など多岐にわたっていた。

調査対象者は圧倒的に一般人や企業が占めるが、中には有名人も含まれていた。キムタ久堂本光一、福山雅治、別所哲也、竹内力、辻仁成、佐竹雅昭、GLAYのJ-RO(和山義仁)、浜崎あゆみ、南果歩、桜井幸子、茂森あゆみ、二谷友里恵、野村沙知代。女子アナの大橋マキ、松本志のぶ、黒田あゆみ、雨宮塔子…。さらには、埼玉保険金殺人事件や新潟女性臥署一事件の被害者や加害者の名前まであったかり驚きだ。

こうした著名人の住所を調査するのは、タチの悪いストーカーかマスコミしかいない。スキャンダルを狙う週刊誌が興信所にターゲットの情報を依頼するのはお約束だ。事実、各社が裏取り取材を進めてみると、徐々にリストの信憑性が証明され始めた。

「これはヤバいことになるかもしれないなあ」

コトに敏感だった数社が、ご丁寧にも警視庁の上層部に「きちんと調べてみた方がいい」と進言する一方で、毎日新聞、続いて週刊プレイボーイが、『犯歴リストが流出』『警視庁も内部調査』などとセンセーショナルにスクープを放つ(余談だが、最初はプレイボーイ誌ではなく某週刊誌にネタが持ち込まれたものの、そこがシークレッ
ト調査会を利用していたため蹴ったらしい)。

扱いに戸惑いほったらかした結果、まんまと出し抜かれた他社も慌てて後追い報道した。さて、困ったのが警視庁。本腰を入れないわけにはいかない結果、警務部人事ー課が調査した後、知能犯罪などを担当する捜査2課が捜査を引き継ぐことになった。
協力者への謝礼はビールや商品券
9月に逮捕されたシークレツト調査会社の谷村も元はと言えば警視庁の警官だった。ホームページで「民間警察」と認い、「刑事、民事に精通した警視庁。Bグループが難問を解明します」とアピールした。ちなみに、料金は収入や納税状況が8万円、素行や行動確認が10万円、おい立ちや学歴調査が20万円。しかし、これはあくまで表向きのメニュー。同業者がひしめく業界では、通常の調査だけではとうてい生き残れない。彼らが「警視庁OB」としてのメリットに目を向けたのも自然の流れだった。谷村はかつての同僚らに次々と声をかけては協力者に仕立て上げ、個人の犯歴調査から住所割り出しといったアブナイ業務に手を染めていく。
顧客はマスコミ関係者などが多く、「あそこに頼めば簡単に割れるようだ」とロコミで評判になり、需要は増える一方だったという。