本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

不倫カップルの恐喝の怖い話・恐怖の事件

恐喝特集を読んで思わず笑いそうになった。なんでオレに連絡くれなかったんだ。

オレが起こしたあの事を記事にすれば、もっと本が売れただろうに。
いや、むろん単なる一読者に過ぎないオレのことを編集部が知っているはずはない。しかし、当時ワイドショーなどで騒がれた〃失楽園恐喝″の犯人といえば、皆さんも記憶の片隅に残っていないだろうか。
テレビや新聞では、そのころ世間に不倫ブームを巻き起こしたドラマ失楽園を見て、犯行を思いついたなどと報道されたが実際はブームになろうがなるまいが、いつの世でも不倫はいたるところに転がり、格好の脅しのネタであることに変わりない。
ただオレの用いた手口が少々斬新だったに過ぎないのだ。

今から3年前だ。当時、オレは高校卒業以来6年間勤めた社を辞めたばかりで、いわゆるプータロー生活を送っていた。なまじ、不動産会社の営業マンなんて商売をやるとロクな人間にならない。
すでにバブルが弾けていたものの、最初に配属となった東北南部の町ではまだ新築が面白いように売れ、年収が1千万を超えた。
20才そこそこの人間がそんな大金をつかんで華考えることといえば、クルマ、酒、そしてオンナをおいて他にない。オレもまた当然のように、金にモノを言わせるような遊び方を覚えたものだ。
しかし、年を経るごと不況の波は確実に田舎へも押し寄せ、年収は800万、600万とダウン。
入社5年目、埼玉支店に転勤したころには、400万にも届かなくなる。
そろそろ先が見えてきたかと、辞めることばかり考えていたある日、カード会社の女と知り合い、詐欺を覚えた。限度いっぱいカードを使い盗難を装う古典的な手口だ。審査部に勤務する女に、100万以内の被害なら右から左に書類を流すだけで処理されると言われ、その気になった。一度覚えた賛沢の味はなかなか忘れられない。

面白いように金が入ってきて、またぞろ夜の街で遊びだす。が、パクれるカードに限りがあれば、オイシイ暮らしも長続きはしない。
やはり、マトモに定職へ就いた方が賢明か。オレが〃悪い金儲け″を思いついたのは、ちょうどそんなころだ。
ゴールデンウイーク明けのその日、知り合いの女と地元のラブホテルでエッチを済ませ、部屋を出たのが昼の3時ごろ。入れ違いに1組のカップルが車でホテルの駐車場へ入ってきた。男はスーツ姿のOL風である。
「間違いなく不倫だね」
連れの女が笑った。ラブホ街じゃよくある光景。気に止めるはずもない。
ところが、なぜだろう。それから何日たっても不倫カップルのことが頭から離れない。あの、いかにも昼下がりの情事風の男と女。
身なり風貌からして、男性はそこそこの企業の役付きだろう。女はさしずめ男の部下といったところ。
妻子持ちのエリートが会社の女に手を出して、というべタなストーリーが思い浮かぶ。ドラマ、小説なら、強請りに持ってこいの対象である。

オレにもできないだろうか。唐突にそう老えた。
相手の車のナンバーから身元を調べ、証拠写真などを送りつける。
事が事なだけに「表沙汰にしないでくれ」と懇願する相手。

では、◎万で手を打ちましよ?
頭の悪そうなヤシが描きそうな絵だ。確かに一度は成功するかもしれない。が、人間、必ず欲が出る。二度三度の恐喝が命取りになることぐらい、誰でもわかる。
だからといって、新しいターゲットを探すべく、毎日のようにラブホの出口を見張っていれば目立って仕方ない。こちらの車種やナンバー、人相、風体を記憶される危険性だってあるだろう。
捕まるのは絶対ゴメンだ。強請るなら、絶対にこちらの正体がわからず、確実に金が取れ、効率のいい手口でなければ。オレはいつのまにか、真剣に犯行の絵を描き始めていた。
『誠実なあなたのことを表沙汰にしたくない』
どうして、そんな計画が立てられたのかと聞かれても、明快な返答はできかねる。
最初はぼんやりと頭に浮かび、やがて形になったというところか。
ただ、最終的にこの手口ならと確信を持つに至ったことは言うまでもなく、成功の自信もあった。

自信がなければ、法を犯すなど恐くて、とてもできやしないのだ。
計画の詳細を話そう。
地方の方はご存知のとおり、郊外のラブホテルは、必ずといっていいほど屋外の専用駐車場を完備している。そこに車を止めるのは、当然ながらホテルの利用者だ。
恋人、夫婦、ナンパした男と引っかかった女、商売女とその客。
組合せは様々だが、中に不倫のカップルが含まれているであろうことは想像に難くない。
もちろん、どの車の客が不倫同士かはわからない。が、それは一切考えないことにする。とにかく、ラブホの駐車場に止めている車の持ち主、全員に脅迫状を送付するのだ。その中に心当たりのある人間がいれば、話に乗ってきておかしくはない。
関東一円に、ラブホテル密集地なんて腐るほど存在する。そこに
車で乗り付け、駐車場の車のナンバーを片っ端からメモしていけばいいだろう。一つのエリアに10軒のホテルがあり、1粁に5台の車が止まっていたとして50台。メモるだけなら2時間もかからない。
場所にもよるが、1日2エリア、都合100台はチェックしたいところだ。
終われば、それをまとめて陸運局に持ち込み、名義人の氏名、住所を調べる。費用として1件につき330円かかる(印紙代300円、用紙代30円)が、それで相手の身元がわかるなら投資は惜しめない。どうせ後で5百倍、1千倍に戻ってくるのだ。
さて、肝心の脅迫状だが、これは掲載した文面を見てもらうのがいいだろう。

探偵が調査対象者恐喝ありがちとしても、誠実そうなあなたのことを考えて表沙汰にしたくない、されどこちらもビジネス、そこで取り引きしてもらえないかという流れは、それなりに説得力を持っていると思うが、いかがなものか。
語り口も、根っからの悪党ではないと思わせるための、精一杯のカムフラージュだ。
これを相手に送付して、金を振り込ませる。

額は10万から多くても20万か。これぐらいならと相手が納得でき、かつ大半の人間が支
払い可能な額。妥当な線だろう。

振込先は言うまでもなく架空ロ座だ。当てはある。東北時代に知り合った女で、他人名義や架空名義の口座を幾つか所有している悪いフーゾク嬢がおり、そいっから一つ盗んだものを持っていたのだ。
いつか役に立つとは思っていたが、いま、まさにそのときがきたのだ。
とりあえず絵は描いた。あとは、どれぐらいの人間が話に乗ってくるか。100組のカップルがいたとして、不倫を含め何かやましい部分のある2人連れが3割〜4割。
実際に金を払うのがそのうちの10人に1人とすれば、全体の確率は30分の1程度か。
何か少なすぎる気もするが、こればかりはフタを開けてみないとわからない。

オレは高崎インター付近のラブホテル地帯を目指し車を走らせた。
地元、川越や所沢辺りにもホテルは多いが、最初から近場は恐い。目的地に着いたのが夜の8時ごろ。最初のホテルには車が5台止まっていた。よく見れば、その中の1台で、若いカップルが乗った
まま話をしている。男の方がチラリとこちらに目線をくれやがった。なぜ、男1人でラブホに?ヤシはそう不審がったか。
いや、そうは考えないはずだ。
こんなこともあろうかと、助手席のシートはあらかじめて倒している。きっと、ヤシは隣の女性が横になっているものと勘違いしたに違いない。
しかし、問題はこの状況で、いかにナンバーをメモるかだ。ボールペンとメモ帳片手に外へ出てウロウロするのは明らかに不審。車内から目をこらしたところで、その怪しさは変わらない。
どうする。彼らが駐車場を出るまで待つか。それとも別のホテルに移動するか。いや、他へ行っても、車に人がいないとは限らないし、別の車が入ってくる可能性だってあるだろう。そこで、客にナンバーをメモる姿を見られたら…。やってやれないことはない。が、顔を見られる、記憶に残させる、というのはいかにもマズイ。くそ、最初からつまづくなんて、やはり考えが甘かったのか。
…待てよ。イライラするオレの頭に、そのアイデアが浮かんできたのは、いつまでも話を止めないカップルに業を煮やし、車を発進させた直言後のことだ。
テレコを使えばいいのではないか。メモるのは不自然でも、自分でナンバーを口に出し録音する分には怪しく見えないはずだ。なに、テレコをnに持ってくる必要などないのだ。助手席にでも置いて、多少大きな声でしゃべればいい。その姿は(シートを倒し横になっている)隣の女性と話している風に見えなくもないだろう。もちろん、そう老えたのは、車のダッシュボードに置いたままの、小型テレコ(正確には録音機能付きのへシドホンスレテオ)の存在に気づいたからだ。なんとまあ都合がいいことに、と思うかもしれないが、現実にはこうした偶然、ひらめきが起きるものなのだ。
「熊78、た、5××、白のカローラ、群、4、な、4××…」
確認作業は予想以上に手際よく進行した。ホテル駐車場の敷地内をゆっくり走り、ナンバーを読み上げていくだけ。1つのホテルで5分もかからない。
帰る客、入ってくる客に出くわし、顔を見られることもあった。が、そうした相手のナンバーはむろん控えない。足の付きそうなことは一切回避すべきだ。
34軒と回るうちわかってきたこともあった。車種から、なんとなく客の姿が想像できるのだ。たとえばRX7やスカイラインは若い連中。不倫の可能性は低そうだ。逆に高いのはカローラ、クラウン、サニー辺り。ワケありの中年が乗ってそうなイメージだ。
では、ベンツ、セルシオなど高級車はどうか。相手は金持ち。
狙いがいはある。が、もしそれがヤクザの車だったらどうする。ヤクザ相手に脅しをかけるのか。おいおい冗談だろ。
ターゲットは決まった。もっとも不倫の匂いがするファミリータイプ。これを集中的に狙っのだ。結巨珂その日は前橋まで足を伸ばし、可能性の高い車のナンバーをチェック。

残るは発送作業だが、これは自宅で行った。パソコンで住所と名前を入力し、茶封筒に例の手紙を入れ、表に切手と宛名ラベルを貼り、ポストに投函、という流れだ。
むろん、作業中は指紋が付かないようゴム手袋の上に白手袋を着用、投函するポストもわざと都内のものを選んだ。
要求した金額は10万円。果たして何人が金を振り込んでくるか。

手紙を投函して10日後に、10万、その2日後に10万。40通、脅迫状を送った見返りは20万だった。割に合うのか合わないのか、正直よくわからない。

今日は千葉、明日は宇都宮、時には福島、仙台にまで足を延ばした。
と、当初は4,5日に一度振り込まれていたものが2日に一
度、やがて毎日となった。
それぞれの金が、いつ投函した強迫状によるものかなんて知ったこっちゃいない。しかし、オレは正直驚いた。あまりに、うまく行きすぎである。
なんせ、毎日、銀行に行けば少なくとも金が入っているのだ。笑いが止まらないとはまさにこのこと。通帳には、見も知らぬ振り込み人の名前がずらりと並び、中には「ヨロシクタノム」と、これまた相手にとっては見も知らぬ恐喝者へのメッセージを入れているケースもあった。ああ、世の中にはなんて不倫カップルが多いんだ。
己のアイデアで掴んだ木を決して離すまいと、オレは無我夢中で仕事にのめりこんだ。夕方5時、6時に出動して、ナンバー確認作業を終えるのが夜。

そのままクラブへ飲みに行き、オネーチャンとドンチャン騒いで、死んだように眠る。翌日は1日中、作業に没頭し、元気があればまた・夕方から出動もルーチンワークと呼ぶに等しい、規則正しい生活である。
一方、足が付かないための用心も怠らなかった。狙うホテル、投函するポストはできるだけ自宅から離れた場所を選択するのはもちろん、検問などに引っかかってもいいよう、酒気帯び運転厳禁を義務づけ、証拠になるようなものは一切置かなかった。中でも特に気を遣ったのは銀行口座である。

同じ口座を使っていれば、必ずどこかで足が付く。やはり、口座は早いサイクルで切り替えるのが賢明だ。
今は可能かどうか定かではないは、当時はメールオーダーサービスで口座が開設できた。指定の申込書に住所、娼箭を記入、身分証明書のコピーを添付して銀行に送れば、折り返し届け出の住所に通帳、キャッシュカードが郵送されてくるというサービスだ。
まるで、ロ座を作ってくださいと言わんばかりのシステムである。オレはさっそくこれを利用し、口座を作っていた。

金は順調に入り続けた。周囲に怪しい気配も感じられない。オレは有頂天だった。
ただ、少なからず警察に被害届が出ているだろうことは予想できた。手紙を送りつけた相手の中には、当然やましいことなど一切ない人たちもいるわけで、彼らにしてみれば、脅迫状など恐くも何ともない。突然の言いがかりに怒り心頭、警察に訴え出る可能性は十分ありうる。
しかし、証拠物件は指紋一つない手紙だけ。日本の警察がどんなに優秀だろうが、そこからオレにたどり着くのはまず不可能だ。
それに万が一、オレに捜査が及んだとしても、彼らからオレは金を取っていない。容疑はあくまで恐喝未遂。起訴されたところで執行猶予は確実だ。
では、実際に金を払った連中がどう出るかを考えた、これは100%警察に届けないであろう。やましいところがあるから、表沙汰にしてほしくないから、オレの要求に応じたのである。わざわざ、警察に自分の恥をさらしに行くバカがいるわけがない。
よくよく、この犯罪はオレに都合よくできているのだ。と、ほくそ笑みつつ通帳を眺めていたある日のこと、それまでほとんど意識しなかった振込人に、明らかに女性とわかるものがチラホラ混じっていることに気がついた。
どこかの奥さんかOLか。いずれにせよ、彼女らは金を振り込んだことにより、計らずも、自らの不貞を告白したのだ。不倫するOL、ダンナ以外の男とセックスした主婦。いったい、どんな女なんだろう…。邪悪な考えが頭を支配し、気がつけば女の住所を尋ね歩く目分がいた。
顔を確認できたのは、ぜんぶで5人。大半が、どのツラさげて不倫してるんだ、とこちらが聞きたくなるような女だ。
が、その中に1人だけいた。30前後のいかにも清楚な美人。広い庭付き一戸建てのガレージから、セルシオに乗り外へ出てきた彼女を見かけたとき、オレは思わず体が熱くなった。危険な行為は百も承知で、住所から104で彼女の自宅の番号を調べ、朝電話をかけた。
家族構成も何もわからないが、彼女が普通の主婦なら、その時間、1人だけで家にいるような気がしたのだ。
読みは的中した。

「このたびはお振り込みありがとうございました」と切り出させれば、彼女も沈黙せざるをえない。
「いま、お一人ですか」
「何でしょう」
「実は辻畢で××様の近くに来ておりまして。例の一件でお話したいことがあるんですよ。申し訳ありませんが、▲▲公園までご足労いただけませんか。ご存知ですよね、△▲公園」
「。。.・・・.:」
「お待ちしております」
電話を切って応分、彼女が指定の場所に現れた。痛ましいまでに緊張した様子が見て取れる。
「立ち話も何ですから、車へお入りください」
「・・・:。」
「いや、そんなに緊張なさらない「…あの、私…」
「0。:。o」
黙ったまま車を走らせ、幹線道路沿いのラブホテルヘ。そこでオレは思つ存分、彼女の肉体を味わった。むろん、このときすでに警察の捜査がつい目前まで迫っていることなど、知るはずもない。

逮捕かはいつも突然やって来るように、絵に描いたような不意打ちだった。
大宮のホテル街を回った後、自宅マンションに戻りへテレコに録音したナンバーを紙に書き写していたところ、「ピンポーン」とインターホンが鳴った。夜の11時過ぎだ。
出ると、はきはきした女性の声が聞こえてきた。
「あの、下に止めてあるナンバー××××のセルシオ、桑原さんの車ですよね」
「え?…はい、あ、どうかしたんですか」
「いや、実は私、車庫入れしてたら、ちょっとこすっちゃって」
ピンときた。警察だ。車をこすった、とはもっともらしいが、内心びくびくしながら毎日を送ってきたオレにはわかる。
とりあえずへ覗き穴から外を見ると、トレーナーにGパンの女性が立っていた。恐らく、彼女の周囲には屈強な刑事が何人もいるに違いない。
観念してドアを開けたら、案の定、男の手が伸びてきた。ざっと見ただけで皿人はいるか。
「間違いないね。あ-、逮捕状が出てるから」
容疑は恐喝未遂。
「なぜ、おまえが犯つたってわかったか教えてやろうか」
身柄を署に拘束されて以降、取り調べに素直に応じるオレに、1人の刑事がフレンドリーな口調で話しかけてきた。
「おまえ、所沢の女のアパートに行っただろ。あそこで張ってたんだよ、オレたちは」
これが何を意味するのか、オレはすぐに悟る。思い当たるとしたらあの件しかないと考えていたが、まさか実際にそうなるとは…。
逮捕から4日前の夜、オレはキャバクラのね-ちゃんを口説き落とし、外で食事した後、車で彼女が住む所沢のアパートへ向かった。
と、こんな偶然があるのか。そこは以前、架空口座を作る際、通帳とカードの送り先として使ったアパートだった。1階の一室に空き部屋があったのだ。
架空口座開設に利用したアパート、マンションは他に幾つもある。
が、当然ながら不在通知を取りに行く以外は二度と同じ場所へ近づかない。用がないということもあるのが恐い。
そのときも、ヤバイとは思った。
が、欲望には勝てなかった。結局、オレは同じアパート2階の女の部屋に転がり込み過ごしてしまったのである。
一方、警察はオレが脅迫状を出し始めた直後から捜査を開始していた。数は正確にはわからないが、名警察署に似たような恐喝(未遂)の被害届けが大量に出されたのを受け、同一犯の仕業に違いないと行方を追っていたのだ。
銀行に協力を依頼し、指定の架空口座から金を下ろすオレの姿が映った防犯カメラの映像を入手。
様々な角度から写真に起こし、それを捜査員に持たせた上で、銀行、陸運局、ホテルなど、オレが立ち回りそうな場所へ張り込みをかける。オレが現れるのを待っていたのだ。
「まさか来ねえだろと思ったけど、おまえが銀行に届けてたアパートとかマンションも張り込んだ。そしたら、のこのこ現れやがってよ。あれがなかったら、も?少し生き延びられたのになあ」
担当が勝ち誇ったように言う。複数の口座を使用していただけに、特定に至るまでが並大抵ではなかったらしい。

ちなみに、姿を目撃されて以後、オレには終始尾行が付き、ホテルの駐車場でナンバーを確認する様子や、陸運局での姿など、すべての行動が写真に撮られていた。気づかなかったのはオレー人だけだったのだ。
結局、オレは判決で実刑3年を食らった。
逮捕された時点での容疑は恐喝未遂。執行猶予付きの判決が出ることは確実と安心していたのだが、拘留中、警察が実際に金を振り込んだ人たちに被害届けを出させ(7人が応じたらしい)、「恐喝容疑」で起訴したのだ。恐喝自体は珍しく何ともないが、ラブホテルの客に無差別に脅迫状を送り付ける手口が前例のない事件で、社会に大きな悪影響をもたらした」ため、警察も本腰を入れたようだ。