本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

恐るべき保険金殺人の成功例

保険業界のズサンな実態を考えれば、発覚していない保険金詐欺=生命保険金を目的とした殺人が行われていても何ら不思議ではない。筆者は今回、その体験者を求め歩き回ったが、あらゆるルート、どんなコネを使ったところで、ロを開いてくれる人間はなかなか見つからない。考えてみれば無理からぬこと。

生保詐欺の成功者とはすなわち、殺人者に他ならない。それが発覚してないならなおさら、自ら公言する者など皆無だろう、そうあきらめかけたとき、

「5~6人やった男を知っている」と話す人物に辿り着いた。彼によればその男は、保険金詐欺で数億の金を握りついには事故に見せかけ自殺したのだという。

「死ぬー時間前に電話があったんだ。オレは完全犯罪を完成させるために死ぬってね。車でガードレールに突っ込んで、自殺か他殺か単なる事故かわからんように死んでいった。今はヤツの保険金で妻子が幸せに暮らしているよ」

この件では警察も動き、新聞にも報道された。が、結局真相はハッキリせず保険会社からは多額の保険金が支払われたという。

「もっ成仏してるだるうから、話してもいいだるう。その男、ミヤジマ(仮名)の最も近くにいた人物が、恐るべき保険金殺人の成功例を語り始めた。

従業員保険をかけてガレキで圧死させる
ミヤジマってのは出レの30年の悪友だったんだ。ガキのときから仲良く解体屋をやっていた。

ええと、ヤツが詐欺を始めたきっかけはね、生命保険の契約を断られたことなんだ。20年以上前のことで、そのころは加入すれば勧誘のネーチャンが簡単に寝てくれたのよ。ま、これはオレたちの周りだけかもしれんけど、そうやって契約取ってる生保レディが多かったんだ。で、ヤツも「保険に入ってくれるなら…」って約束を取りつけて、医者の健康診断を受けたわけ。そしたら、健康そのものって体してんのに契約を断られたんだ。聞いても理由は教えてもらえない。

「何でやー」って相当食い下がったけど規則とかなんとかでさ。でも、ミヤジマはネーチャンと寝たくて仕方なかったんだろうな。別のヤツに健康診断を受けさせて保険に入ったんだ。そっ、替え玉検診ってやつ。さあこれで寝れるぞと思ったら、今度は替え玉の野郎がネーチャンと寝ちゃってさ。

「このツケは必ず取り返す」って激怒してたよ。

結局、他の加入者を紹介してネーチャンと無事に寝られたんだけど、そんなことしてるうちに保険のシステム自体に詳しくなってさ。こりゃ穴だらけじゃねえかって、バクることを考えた。ミヤジマが最初に目を付けたのは、法人を受取人とする従業員保険ってやつだよ。解体屋やってたから、大勢従業員はいる。

申請書は事業主が書けばよかったから、適当なヤツを替え玉にして本人が知らないつちに保険をかけるなんてことが簡単にできたらしい。で、ある日、ビルの解体現場で作業員がガレキの下敷きになって死ぬ事故が起こった。もちろん警察も来たさ。

けど、「作業中のアクシデントにより死亡」ってことでオシマイ。親会社は注意義務違反だなんだって行政指導を受けたらしいけど、ミヤジマのとこはいっさいおとがめなし。死んだ従業員の保険金はキッチリ会社に支払われた。まあ、家族がいれば労災ってことでそっちにいくんだろうけど死んだのは天涯孤独の身の上。保険のことを気にするどころか、遺体の引き取り手もいない。もちろんミヤジマは最初からそういつヤツ
を狙ったんだろうけどな。

オレが知る限り、それが最初の殺人だと思うんだ。事故の後、

「殺した奴が枕元に立つんだ」みたいなことを、遠まわしないい方で毎日電話をかけてくるようになったからな。

「オレっておかしいのかもしれないなあ」

「もうー人の自分が求めてるんだよ」とか、ワケわかんないことをフツブツ咳く。ヤツとはつきあい長いから、尋常じゃないってのはすぐわかったよ。これは最後の方に聞いたんだけど、2人目を殺したときは眠れんほど怖くて仕方ないんだって。それが3人目を超えると、今度は殺したくて仕方なくなる。

「でも四十九日までは死んだヤツが枕元に立つんだ」

オレに電話でブツブツいって、霊が現れなくなるとピタっと止まる。だからヤツが殺ったかどうかはすぐわかったよ。確認したことはないけど、そんなのが5-6回あったから最低そのぐらいは殺ったんじゃないかな。
浮気相手の旦那をトラックと転落死

最初に保険金をもらったときはミヤジマも用心してね、ー年間はその金にまったく手を付けなかったんだ。で、ー年後、まず高級車を買った。それから財布をいつも万札でパンパンに膨らませて、派手に遊ぶようになったわけ。

中でも変わったのは女との付き合い方だな。昔からSMっ気がある恋態だったけど、娘みたいに若い女をとっかえひっかえ連れて歩くようになったんだ。「金次第でどうにでもできる」ってのが口癖で、それ以後の殺人はみんな女の影がある。

2回目の事件も、アルバイトの人妻が絡んでた。はじめから自分好みの女を雇ったんだから、すぐいい仲になってさ。けど、SMが趣味だろ。体に残った縄の跡を旦那に見つかり、女は顔の形が変わるほど殴られたらし
それでどうしようってミヤジマんとこに相談にきたとき、チョ口っと旦那が失業保険に入ってるって話が出たんだな。で、ヤツは決心しちゃったわけ。殺すしかないって。保険金の受取人は妻だから「その金でやり直せ」って説得してさ
自分も半分もらうってことで話をつけた。女は冗談だと思ったみたいだけど、ミヤジマは長距離トラックの運転手だった旦那を転落事故に見せかけて消しちゃった。だから何千万かの保険金をせしめたのはいいんだけど、女がビビっちゃってさ。あんまり動揺してるんで、バクられたらヤバイってんで脅したわけ。

「子供を連れて実家に戻れ。でないと、オレはお前まで殺しちゃうかもしれないよ」

そんなこと言われたら従うしかないよな。その女、あっという間に子供と田舎に引っ込んだよ、旦那の保険金かかえてさ。ミヤジマはっていうと、またその金で新しい女を作っては遊び狂ってた。普通、そんだけの金が入ったら不動産なんかに手を出すもんだけど、ヤツはパクった金で家なんか買えないって。

「変なウワサ立てられたら命取りになるかもしれないし、税務署に不審がられるのも困るしき極悪非道なヤツだけど、自分が何をやってるかはちゃんとわきまえてたんだよ。ま、毎回、ワケのわからないやつの相手をするオレは、たまったもんじゃなかったけどさ。」
母親と協カして暴力息子を消す
その次は何だったっけ?ああ、これも人妻がらみだ。付き合ってた女から暴力息子に今いて相談を受けたのよ。聞くとそいつ、いい齢なのにまともに働きもせず、暴力は振るうわ金はせびるわのとんでもないヤツだった。

もうわかるだろ。「生命保険に入れて消せばいい」ってことになったわけ。書類は親が書いて、健康診断は替え玉。本人の預かり知らぬところで高額な保険に入らされて、しばらたつと失踪する。

いや、手ロを具体的に聞いたことなんかないんだよ。たぶん、どこかに呼び出して、山の中にでも埋めたんだろな。

「人間の体って豆腐みたいだ。刺すと刃物がスッと簡単に入っちゃう。それを服を着せたまま埋めると白骨になるまでー1~2年かかるけど、全裸だと半年ーメートルも深さがあればいい」

とか、

「白骨になれば指紋は取れないし、頭の部分だけ掘り出しハンマーで砕いて水に流せば身元は絶対バレない。埋める場所なんて上からコンクリート乗せちゃえば、ウチの庭でもいい」

なんて言ってた。本当かどうかオレは知らないよ。行方不明で7年経てば、死亡と同じ扱いになるだろ。警察に届けて失踪申告すれば、それが証拠になって保険金が下りる。親にしてみればさ、手に負えない息子のやっかい払いができる上、確実な保険金が約束される。ミヤジマに1千万払っても採算はあう。
★にわかには信じられないことだが、この男性の言葉には、本当だと思わせるだけのリアリティがあった。保険金殺人までが、これほどたやすく行われているのだろうか。

念のため言っておくと、これは本人が亡くなっているため聞き得た話である。ここからアシがつくかわからないといって取材を拒んだのは、ー人や2人ではないのだ。