本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

水族館で飼育されていたサメの口から人間の腕が

1935年4月25日、オーストラリア・シドニーのクージー水族館で衝撃的な事件が起きた。
海で捕獲され観光の目玉として8日前の4月17 日から同水族館で飼育されていた全長4メートル、体重1トンのイタチザメが突然、激しく体を震わせ口の中から出した吐瀉物の塊から人間の腕が見つかったのだ。
 

普通に考えれば、腕の持ち主はサメの餌食になったのだろう。

しかし、司法解剖を担当した検視官は意外な結論を出す。

腕はサメに食いちぎられたのではなく、鋭利なナイフで切り取られたものだ、と。

つまり、腕の持ち主は殺されたものと断定したのである。
 

やがて、遺体の腕に彫られたタトゥーと指紋から被害者の身元が特定される。ジェイムス・スミス(当時40歳)。

地元でビリヤードバーを営む、前科者の元ボクサーだった。スミスの妻によれば、夫は4月8日に釣りに出かけたまま行方不明だという。

さっそく警察がスミスが釣りに利用していたという海辺の小屋を捜索すると、マットレスとブリキのトランク、ロープがなくなっていることがわかった。
 

さらにスミスの身辺を調査した結果、彼がパースファインダー号という小型船の用心棒をしており、この船の持ち主が以前から麻薬密売の関与を疑われていたレジナルド・ホームズであること、パースファインダー号が最近沈没していたことが判明。

こうした状況から、警察は、スミスが麻薬の密売を巡る裏社会の抗争に巻き込まれ殺害された後、トランクに押し込まれたものの、片腕だけがはみ出したため犯人は仕方なく腕を切断し海に遺棄、それをサメが胃袋に納めたものと推定する。
 

重要容疑者として警察の取り調べを受けたホームズは犯行を全面否定し、商売敵であるパトリック・ブレイディなる人物の関与をほのめかした。
警察はブレイディを別件で逮捕したが、この後、事件は予想外の展開を見せる。

ホームズが自分の車の中で何者かに腹と下腹部を撃たれ死亡したのだ。

そして、警察・検察はなぜかそれまでの意見を翻し、スミスがまだ生きているものと主張。胴体が見つかっていない以上、彼が死亡したとは認められないというのだ。
 

指紋が一致しているにもかかわらず、捜査はまた振り出しに戻り、そのまま未解決となる。事件の背後で司法を巻き込んだ何かしらの裏工作が働いていた可能性は高い。