本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

貧困家庭生まれの子供が犠牲になった悲しい事件

1971年11月16日、米ニューヨーク州ロチェスターで祖父母と共に暮らす当時10歳の少女カルメン・コロンが近所の薬局で買い物をしたのを最後に行方不明となり、2日後の18日、約19キロ離れたチェーチヴィルの水路で遺体で発見された。

検死の結果、暴行を受けレイプされた後、絞殺されていることが判明。殺人事件として捜査を開始した警察は独自に聞き込みなどを行う傍ら、犯人逮捕に繋がる有力な情報提供者に対し6千ドルの報奨金を支払うとして広く情報を募ったが、解決には至らなかった。
 
17ヶ月後の1973年4月2日、やはりロチェスターで11歳の少女ワンダ・ウォルコウィッツの行方がわからなくなり、翌日、最後に姿が確認されたスーパーマーケットから約11キロ離れたウェブスターの路上で遺体となって発見される。

さらに、7ヶ月後の11月26日には11歳のミシェル・メンザが失踪、2日後、ロチェスターから24キロ離れたニューヨーク州マセドンで殺害遺体が見つかった。

2人の少女は、カルメン・コロンの件と同様に暴行・強姦の後、ベルト状のもので絞殺されていた。
 

被害者はみな10代頭の少女で、レイプされたうえで絞殺。現場はロチェスター地区周辺。また、全員がローマカトリック教徒の貧困家庭生まれで、学校で問題を抱えていた。

これらから警察は3つの事件をペドフィリア(小児性愛者)による同一犯と睨む一方、他にも奇妙な共通点があることを把握する。


▼カルメン・コロン/チェーチヴィル=「Carmen Colon」/「Churchville」
▼ワンダ・ウォルコウィッツ/ウェブスター=「Wanda Walkowicz」/「Webster」
▼ミシェル・メンザ/マセドン=「Michelle Maenza」/「Macedon」
 

被害者それぞれの名、姓、遺体の放置場所の頭文字3つが全て同じだったのだ(カーメンはC、ワンダはW、ミシェルはM)。
単なる偶然なのかもしれないが、警察は犯人が被害者の名前や個人的な事情を事前に知りえたうえで犯行に及び、意図的に同じイニシャルの土地に死体を遺棄したものと推定。メディアは、犯人を「ザ・アルファベット・マーダラー」と呼び大々的に報道する。
 

警察の取り調べを受けた人物の中で特に怪しいとされたのが次の3人だ。まずは1人目の被害者カルメン・コロンの伯父ミゲル・コロン。

カルメンから「ミゲルおじさん」と呼ばれる親しい間柄で、彼女の遺体が発見される直前、犯行に使われたものと思われる車と同一の車両を所有、カルメンと何度もドライブに出かけ、事件後に車内を徹底的に洗浄していること、周囲に「ロチェスターで何か間違ったことをした」と言い残し姪の死から4日後にプエルトリコに移住していることがわかった。

しかし、警察の厳しい取り調べに、ミゲルは一貫して犯行を否認。物的証拠もなかったことから逮捕には至らなかった。ちなみに、ミゲルは1991年、妻と弟を射殺後、自らにも銃を放ち44歳でこの世を去っている。

2人目はロチェスターで消防士として働いていたデニス・テルミニなる男性。彼は1971年から1973年の間に10代の少女と若い女性を少なくとも14 回レイプした連続強姦魔で、最後の犠牲者ミシェル・メンザの遺体が発見された5週間後にも10 代の少女を誘拐。警察の追及を受け25歳でピストル自殺を遂げた。

ただし2007年に行われたDNA検査により、二番目の被害者ワンダ・ウォルコウィッツの体内から回収された精液サンプルとは一致しないことが判明している。
3人目は1977年から1979年にかけロサンゼルスで共犯の男と12人の女性を殺害し「ヒルサイド・ストラングラー」の異名をとったケネス・ビアンキ(1951生)。

彼は一連の事件が起きた当時、ロチェスターに住んでおり、誘拐現場の近くで目撃車両と同じ色とモデルの車両を運転していたことから警察の尋問を受けているが、これまた物的証拠は皆無。

何より、ビアンキがペドフィリアではなかったことから、彼が事件に関与した可能性は極めて低いと考えられている。
 犯人特定に至らぬまま最初の事件から40年が過ぎた2011年4月、カリフォルニアでジョセフ・ナソ(当時77歳)なる写真家の男が逮捕される。1977年から1994年にかけ4人の女性を殺害した容疑で、3人の少女が殺害された当時はロチェスター在住だった。注目すべきは、彼が手にかけた4人全員の名と姓が同じイニシャルだったことだ。が、遺体の放置場所の頭文字は異なり、犠牲者も18歳~38歳の売春婦。DNA検査の結果も、彼の犯行を否定していた。
 

事件からすでに半世紀以上。真相が解明される日は来るのだろうか。