本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

毒殺を狙った無差別殺人は身近なところにある

1998年8月31日午前7時30分頃、長野県に住む塗装業の男性が朝食の際、冷蔵庫から出したばかりの缶入りウーロン茶を一気飲みし食事を摂っていたところ、
突然苦しみだし、食べたものを全て吐き出した。

ほどなく意識不明に陥り、救急車で病院に搬送されたものの、すでに心肺停止の状態。午前9時12 分、死亡が確認された。

病院側は「急性心不全」と認定したが、心不全の原因がはっきりしないため警察に検死を依頼。

しかし、司法解剖でも異常は見られなかったため、そのまま心不全として処理されることとなった。
 

翌日の9月1日13時40分頃、男性も利用していたという隣町の須坂市内のスーパーの店長(当時29歳)が在庫チェックの際に冷蔵棚の一番手前側に変形したウーロン茶の缶を見つけ、売り物にならないと判断し、自ら飲んだ。

店長は一口飲んで味と異臭に気づく。普通のウーロン茶とは異なる異臭と苦にがみの強い味がしたのだ。店長は警察に不審物として提出することにした。なお、店長は少量のみ口にしたため無事だったそうだ。
 

警察が調べた結果、提出された缶の底にはキリで開けたような直径5・6ミリの小さな穴が開いており、接着剤のようなものでふさがれていた。また缶の製造番号は故意に消されていたそうだ。
 

缶の中身を科学警察研究所に調査依頼したところ、驚くべき事実が判明する。

中から約5グラムの青酸化合物(青酸カリ)が発見されたのだ。致死量20人分に相当するものだった。

翌々日の9月3日、新聞やテレビの報道でこの事件を知った塗装業男性の家族が警察に届けるとともに、男性が飲んだウーロン茶の缶を提出。

調べた結果、店長が提出した缶と同じく裏底に接着剤の跡があり、青酸化合物が発見される。そこで科警研は病院に残されていた男性の血液を調べ、青酸の反応が出たことを確認。長野県警は「無差別殺人」として県内全域で大がかりな捜査を開始した。
 

問題のスーパーは国道から奥まった場所にあり、地元の人の利用がほとんどであることや、ウーロン茶の売り場が防犯カメラの設置されてない場所だったことから、警察は犯人が店の事情に詳しい地元の人間と推定。

また、1950年に施行された毒物及び劇物取締法により一般人が青酸化合物を簡単に入手できないため、化学分野に精通した人物の犯行ではないかとも睨んだ。が、事件から4分の1世紀近くが経過した2023年4月現在も犯人逮捕には至っていない。