本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

巣鴨三丁目占い師殺人事件

東京都豊島区巣鴨。

とげぬき地蔵で知られる高岩寺のある巣鴨地蔵通り商店街は「おばあちゃんの原宿」として全国的に有名だ。

多くの高齢者で賑わうこの地で、1998年3月5日、残忍な事件が起きた。
 

同日17時45分頃、巣鴨三丁目のアパート2階の一室で占い業を営む新藤武雄さん(当時
68歳)の長女(同30歳)が父の職場に足を運んだ。

部屋の鍵は開いており、そのまま室内へ。と、彼女は玄関に赤いしずくのようなものがまばらに漏れているのに気づく。嫌な感触に襲われながら、赤いしずくをたどって風呂場に行くと、父親が全身血だらけで死亡していた。長女は慌てて110番へ通報する。
 

警察の司法解剖により、新藤さんは刃物で首を数ヶ所刺されたことによる失血死と判明した。
発見時、新藤さんは背広姿で、内ポケットに現金5万円と室内に預金通帳が残されていた。こうしたことから警察は金銭目的ではなく、怨恨の可能性が高いと推定。

また、玄関の床にに血痕があったことから、入り口で襲われ、そのまま浴室まで引きずられたものと睨んだ。
 

この日、新藤さんは午前9時頃、徒歩で職場へ向かい、15時頃、顧客の女性から電話を受け話したことがわかっている。犯行時刻は15時30分から17時頃の間の可能性が高い。当日は木曜日だったが、現場は地蔵通りに面しており、この時間帯であれば多くの人出で賑わっいたはずだ。にもかかわらず、悲鳴や不審者の目撃情報など、解決につながる情報は一切得られず、未だ犯人は捕まっていない。

ちなみに、新藤さんは戦後すぐにJR新宿駅東口で易者を営むエキスパートで、事件発生の3年前に自宅近くの現場に移り仕事を続けていた。
 実は、巣鴨では新藤さんの事件の1年前にも未解決殺人が起きている。
1997年6月21日14時20分頃、とげぬき地蔵の近くのとんかつ店「とん清」で、店を経営する小形ヨシ子さん(同70歳)が2階6畳間の布団の上で仰向けになって死んでいるのを近所に住む義姉が発見した。

小形さんの首には裁断ばさみが突き刺さっていたが、司法解剖の結果、死因は首を絞められたことによる窒息死で、殺害後にはさみを刺されたことがわかった。小形さんは普段着姿のままで頭から布団がかけられており、1階玄関の鍵は開いていた。

また、の中には売上金や350万円の定期預金、現金20万円が残されていたことから、新藤さんの事件同様、物盗りの犯行ではなく怨恨が有力だった。
 

小形さんは千葉県館たてばやし林市出身で高校卒業後に上京したが、その後20年間の生活は不明。内縁の夫と「とん清」を始めたが、事件の数年前に死別。いったん店は閉めたものの「体を動かした方が良い」として商売を再開している。店は年中無休で、営業時間は18時から2、3時間だけ。近くの東大や東京外大の学生が常連だったが、席数は8つほどしかなく、儲け出る商売ではなかったそうだ。
 事件発覚2日前の19日夜、小形さんは店を開けていた。そして閉店後、毎日通っている、店から歩いて3、4分の銭湯に23時頃へ向かい、そこで会った知人に「店の近くで変な人がうろうろしている」と話していたという。

20日からは店が閉まったままで、シャッターの内側には20日の朝刊から溜まっていた。このことから犯行時刻は19日夜から20日早朝の間と見られている。
 
20日は東京で午前11時ごろから台風が直撃しており、年中無休の店を開けていなくても不審に思われなかったため、発見が遅れたようだ。また近所の人の話では、20日の深夜12時30分頃、店から大きな音が聞こえ、その15分後にシャッターを開閉する音が聞こえたという。シャッターを操作した人物が犯人の可能性は十分あるだろう。

が、警察はそれ以上の情報を摑めていない。
 新藤さんも小形さんも客商売。地元の情報にも精通しており、弱みを握られたと逆恨みした人物に殺害されたのだろうか。そして2つの事件に関連はあるのだろうか。両事件ともに犯人逮捕には至っていない。