本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

女優ジーン・スパングラー失踪事件

ジーン・スパングラー(1923年、米シアトル生)は1940年代後半、ハリウッド映画で活躍した女優である。とはいえ、出演した作品はどれも端役。

スターダムに上ることを夢見ながら、ナイトダンサーの仕事などで生活費を稼ぐ毎日を送っていた。また彼女には離婚歴があり、5歳になる娘の養育費を巡って元夫と話し合いを重ねていた。
 1949年10月7日の夕方、スパングラーは同居している兄夫婦に撮影の仕事に行くと告げロサンゼルスの自宅を後にする。が、翌日になっても家に戻らなかったため、兄夫婦が失踪届を提出。

さっそく警察が撮影スタジオに確認したところ、その日は仕事が入っていないことが
わかった。では密かに元夫に話し合いに行ったのではないか。しかし、警察の調べで、当日、彼女が元夫とは会ってないことが判明した。
 

失踪2日後、自宅から約9キロ離れた公園で、ストラップの引きちぎられたスパングラーのバッグが発見される。中にあった財布にお金はなく、代わりに彼女が書いたと思われるメモが入っていた。
「カーク、もう待てない。スコット博士を見に行く。母親がいなくても、この方法ならうまくいく」
 カーク及び、スコット博士とは誰なのか。兄夫婦には全く心当たりがなかったが、スパングラーの失踪がメディアに報じられると様々な憶測を呼び、やがて「カーク」は俳優カーク・ダグラス(1916‒2020)ではないかと噂されるようになる。

ダグラスは1946年に銀幕デビュー、1949年公開の映画「チャンピオン」でアカ
デミー主演男優賞にノミネートされた、当時最も注目を浴びていた新進スターだった。次の主演作「情熱の協奏曲」にはスパングラーもエキストラで出演しており、2人の間に男女の関係があったのではと疑われたのだ。

さらに警察が捜査を進めると、スパングラーが失踪前、友人に自分はいま妊娠3ヶ月で違法な中絶を考えていると話していたことが発覚。スコット博士も、堕胎手術を闇で請け負う医者で、過去に元患者の女性を脅迫した前科を持つ人物であることがわかった。
こうした噂を耳にしたダグラスは自ら警察に電話をかけ「彼女とは少し冗談を交した程度で、外で会ったことはない」と嫌疑を真っ向から否定。一方、警察の調べにより、スパングラーが当時の大物マフィア、アンソニー・コネーコやミッキー・コーエンらと関係していた疑惑も浮上してきた。これが事実なら、彼女がギャングとトラブルになり、殺害された可能性もある。
その後も警察はスパングラーの行方を捜索、また有名女性コラムニストのルエラ・パーソンズが1千ドルの報奨金を出し情報を求めるなどしたが、結局事件は解決しないまま現在に至っている。