本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

女に貢がせ女房を食わす、極悪非道なオレの新婚生活

ヤドカリをご存知だろうか。自らの家を持たず、テキトーな貝殻に潜り込み、使い古せばまた他に移る…。グータラを絵に描いたような生物だ。オレはまさにこのヤドカリである。

卒業後、30才になる今まで、ただ女に貢がせながら生きてきた。女の中には、横領までさせた者もいる。我ながら鬼畜な男である。たとえ捨てた女に刺されたところで文句もいえやしまい。いまオレは、愛する女と幸福な家庭を築き上げている。長い放浪生活の末辿り着いた自分の、居場“。ここを捨てるつもりは毛頭ない。しかし、実はその暮らし、オレがソープに送り込んだカモ女によってまえられている。オレの鬼畜ぶりは何一つ変わっちゃいないのだ。
わずか3日で会社を辞め女の寮に転がり込む
話は今から13年前、甘いマスクと軽いトークでモテモテだった地元大阪の時代に遡る。
当時のオレは、学校の宿題はもちろん、デートの費用も女に持たせるという自堕落ぶり。すでに後の人生の兆候は表れていた。高校2年のとき、クラスメイトの妙子と付き合い出した。柔道のヤワラちゃん似の容姿はともかく彼氏にトコトン尽くす態度が気に入った。

高校卒業後は、妙子が兵庫のゴルフ場のキャディ、オレは兄の紹介で京都の繊維工場へ就職(住まいは2人とも会社の寮)。遠距離に不安もなく、お互い飛び立った。しかし、就職からわずか3日、オレは早くもイヤ気を覚える。こんなキツイ仕事やってられへんー

そう思うが早いか寮を飛び出した。こらえ性がないにもほどがあるが、アニキの顔にド口を塗ってしまった手前、家にも戻れない。となれば頼るは…アイツしかいない。愛車のクレスタで飛ばして3時間、妙子の寮の前の公衆電話に辿りついたのは、夜中の12時ころだ。

「オレ、会社辞めてきてん。今、オマエんとこの近くにおんねやんか」「えー」

「行くアテないし、悪いけど、泊めてくれへんか」

「2人部屋やからムリよ」

「けど、振りわけタイプなんやろ。どうにかなるんちゃうんか」

・・強引にねじ込み、ルームメートが見てないスキに、妙子の部屋に上がり込んだ。とりあえず2、3日やっかいになったら出ていこう、最初はそう考えた。ところが、オレはそのまま1カ月、2カ月と居着いてしまう。同居人にバレないよう、野良猫さながらの生活を強いられたものの、さして苦にもならない。これも一種の才能だ。

同棲生活3カ月目、バチンコにハマッたオレー万、2万と金をせびり始めた。

「パチンコ行くから、頼むわ」「もうお金ないよ」「ええわ、寮から出てくし」

「ちょっと待っとってー」

ちょっとスネた顔をして見せれば、友達に借りてでも金の都合を付けてくる。女っつーのはほんまにありがたい生きもんや。

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半年後、妙子との同棲生活が終わりを告げた。寮の監視が厳しくなり、仕方なく愛車で寝泊まりするうち、愛相をつかされたのだ。生きる糧を得るため、ひとまず寮付の新聞屋に就職、、過酷な労働に耐えながら考えた。

近いうちに、また妙子のような女を見つけ、ソイツのところに転がり込もう。自分の容姿を持ってすれば、難しい話じゃないだろう。では、女を探すにはどこがいい。オレの頭に真っ先に浮かんだのは、「ねるとんパーティ」だ。

モテない男とモテない女が集う見合いの場。いくらでもカモはいる。雑誌で見付けたパーティ会場には、約20人の女が男を探しに来ていた。中から、「ー人暮らし」の20才のOL、冴子に狙いを定め徹底アプローチ、その夜に彼女のアパートで関係を持った。一度ヤッちまえば、後は女を手なずけ、仕事を辞めるだけ。オレにはバラ色の暴臓生活が待っているはずだつた。

しかし、3カ月たっても思いどおりにならない。この女、見込み違いだったのか。と半ばあきらめかけたそのとき。

「結婚せえへん?」「え!?」

いきなりの申し出に、一瞬ひるむ。結婚なんて冗談やないぞ。一が、ちょっと待て。考え方によっちゃ、これはチャンスかもしれん。結婚後、しばらくして仕事を辞める。亭王が職を失ったなら女房が食わせるのがすじ。そしてオレは小遣いをもらいながら毎日寝て暮らす。oKOK、コレでいこう。

3カ月後、両家の家族、親戚一同が揃う(結婚に際し、ー生半ぶりに実家に連絡を取ると、過去のことを水に流してくれた)なか、盛大な結婚式が開かれた。冴子の親に金を出してもらい、3千万のマンションも購入。オレは頃合を見て、、,本件を切り出した。

「仕事辞めてきたんや」
「ハァ」

「いや、上のヤツとケンカしてな、仕方なかったんや」

「・・しゃあないな。早く仕事、見付けてや」

小言のーつもない。まったく、世の中はチョロイ。

2カ月ほどたつと、女房の操縦術も覚え、月に20万30万と引っ張れるようになった。が、冴子の月給はせいぜい20万。どこから都合を付けてくるのだろう。サラ金にでも手を出してんのか、この女。ー年後、妻が思い詰めたように弦いた。

「…実は私な、会社の金使いこんでんねん」

「ェッ衝天の告白とはまさにこのことだ。聞けば、横領額はすでにー千万を超えているらしい。大丈夫やろか」「いや、バレへんちゃうの」「せやろか」

その場では取りつくろったものの、内心はビビリまくり。うっかり妻がパクられれば、オレも巻き添えを食らう危険性は十分。ヤバイ..

が、そんな心配も、問もなく起きた夫婦噌嘩によってアッサリ解消されてしまう。いつまでも職を見つけてこないォレに、冴子がこんなタンカを切ったのだ。

「ブラブラしてんなら離婚するで」

オレが、これ幸いとばかりに家を飛び出したのは言うまでもない。
こんなできた女は滅多にいない

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以降もオレは、ねるとんバーテイでカモを見付けては、宿に転がり込んだ。一度覚えた密の味、簡単には忘れられない。中でもオイシかったのは、23才の着護婦だ。

「離婚した女房に慰謝料払わなアカン」と口にするだけで十万単位の金がボンと出てくる。ー年間で200万ほど引っ張ったか。一方で、うっとうしい女も少なくない。執拗にセックスを求められたり、態度が生意気だったり。快適な暮らしが望めないとわかるや、オレはすぐに女を捨てた。まったく、自分本位な男である。
なかなか、宿が見つかないときは、ホモ男優(1回のオナニーで20万ほどもらえた)などで食いつないだ。マトモに働くつもりは一切なかった。ねるとんパーティで、瞳という23才のバツイチと出会ったのはそんなある日のことだ。

「仕事は何やってんの」「歯科衛生士。遠山さんは?」

「オレ?ああ、コンピュータ会社に勤めてる」

「へえ、カッコええ。」

この後、彼女の部屋にシケ込んだところ、信じられないほどセックスのウマが合った。もう脳天トロけまくりだ。

「おはよ。よう眠れた?」「・・ゴハンできてるよ」

食卓に共キンピラ、アジの開き、アサリのみそ汁が並んでいた。

まるであつらえたように、どれも大好物だ。瞳の優しさに触れるうち、オレの邪悪な心はしだいに変化を見せ始める。こんなできた女はなかなかおらん。ダマしたらバチが当たる。どころか、瞳に出会ったことでムフまでのデタラメな生活をリセツトできるかもしれん。いや、これは大事にせなあかんぞ。正直、そんな気持ちになるとは、自分でも驚きだった。が、ヤドカリ生活に絶え間ない不安が付きまとっていたことも事実。気つかぬうち、安住の地を探し求めていたのだ。そうしてオレは彼女との結婚を真剣に考え出す。

が、そこで引っかかるのが仕事である。結婚したからには女房を食わせねばならない。真面目に働き毎月25日に給料をもらい・・ウワー、考えただけで塞気がする。それだけは絶対イヤやー
見た瞬間・カモだとわかった
出た結論はーつしかなかった。オレの才能は女に貢がせること。ならばこれまでと同じく、、ねるとんで女を探し、ソイツから貢がせた金を給料として瞳に渡せばいいのだ。話は簡単である。さっそくパーティに出向いてカモ探し。

格好の女は、5回目の参加で見つかった。イモ臭いルックスの公務員、サキエ。過去の経験からー発でカモだとわかった。

その日はリリース。数日後、サキエの実家の近くの居酒屋で酒を飲んだ。

「実は昨日、車で事故ってもって。修理代どないしょ」

ほろ酔い加減になったところで、軽くジャブを入れてみる。

「確かに私、お金は持っとるよ。けど出されへんから」
「いや、そんなつもりでいったんちゃうよ」

間違いない。コイツ、ユルユルやん。この晩も、オレは彼女に指ー本触れなかった。こんなブサイクと死んでもヤリとうない。ということもあるが、すべては金を引っ張るため。2日後、改めてサキエに電話を入れる。

「友達に借金断られてしもて。やっば貸してくれへんか」

「無理やいったやん」

「いや、話だけでもいいから聞いてほしいだけやで」

その足で奈良へ。と案の定彼女はしっかり貯金通帳を携え立っていた。

「絶対にムリやから、けどオレ、自己破産しとるから、どこからも借りられへんねん」「え、どないすんの」

「どないもこないもないよ。もう首括るしかあらへん」
サキエが、銀行から120万円を引き出したのはそれから10分後のことだ。
「ボク・婿養子になってもええですよ」
この後、オレは家に5万円の「家賃」を収めるようになった。ときには数十万のボーナスを渡し、旅行にも連れていく。我ながら、よくできた彼氏である。ただ、瞳に

「会社の電話番号を教えて」

と訊ねられたときはキモを冷やした。慌てて秘書センターと契約を結んだものの、いつまで誤魔化せるかはわからない。そんなある日曜日の昼下がり。ー人屋は休日出勤だった。惰眠をむさぼっていると、突然、見知らぬ男が部屋に上がり込んできた。

誰やーと聞くまでもなかった。その男、瞳とまんま同じ顔をしていたのだ。

「……」モノもいわずに部屋を出ていった、お父さんからは、数日後、瞳を通じて

「一度会いたい」と連絡がきた。ここまできたら腹を括るしかない。
茶髪を黒く染め、彼女の実家へ出向いた。居間に父、瞳、オレの3人(母親とは離婚している)。緊張でノドがカラカラだ。

「…遠山クン、瞳はね、ー人娘なんだよ」

「私が心配する気持ちもわかるやろ、真剣なんか?」

「もちろんです」

「そうか」「…」「…」

会話は一向に弾まない。お父さんが心よく思ってないのは明らかだ。よし、それなら考えてきたこの台詞をかましたろやないか。

「ボク、婿養子になってもええ思とるんですよ」「えー」

「ー人っ子やし、姓が途絶えてまうでしょ。ボク、次男やから全然かめへんし」

「ホンマか、それ」
「ええ、お父さんさえよければ」

これが決定打となり、以降は、トントン拍子に話が進んだ。結婚式の日取りから、新婚旅行の行き先まで。さらには、瞳の実家もニ世帯住宅に建て替える(30年口ーン)ことになった。オレの負担は月に20万円。よっしゃ。

給料はすべてソープ嬢が稼いでくれる
オレは鬼と化した。サキ工から容赦なく金を雀り取り、ー千万ほどの貯金が底をついた後は、サラ金へ。ものの2年間で、2千万近く引っ張ったるっか。ただ、守るモノのある身、それなりの苦労はいる。まずサキエには「夜中働いてるから」と言い含め、連絡(携帯は瞳用とサキエ用に2台持った)
万事快調と思った矢先、不幸がオレを見舞った。サキエの親に借金のことがバレ、オレを警察に突き出すといっているらしいのだ。

「いや、私は絶対にそんな人やない言うたんよ。けど、とにかく一度親と会ってくれん。じゃないと止められへん」と
ならば、とっとと手を切るしかない。

「オレ、ホストでもやるわ。じゃないとサキエの借金かえされへんし。なかなか会えんようになるけど、カンニン」

「…ちょっと待って、私のこと、好き?」

「当たりまえだ」「…わかった」

そう言ってサキエはコードレスホンを手に取った。かけた先はテレクラだった。

★昨年6月、オレと憧は新居に移り住んだ。お父さんの説教さえのぞけ僕おおむね結婚生活は順調だ。一方サキエは、テレクラの援助交際で処女を喪失したのをきっかけに道を転がり始め、現在はソープランドで働いている。もともとブサイクゆえ、稼ぎは少なく月に40万かせがせるのがせいぜいだ。今のところは、仕事も他の女も探す予定はない。