本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

デートスポットのカップル恋人ばかりが犠牲となった快楽殺人

「コロニアル・パークウェイ」は米バージニア州ジェームズタウンからウィリアムズバーグ、ヨークタウンの歴史ある3つの町を結ぶ約37キロの観光道路だ。

コロニアル国立歴史公園の一部で風光明媚なこの場所で、1986年から1989年にかけて4組8人が殺害される事件が起きた。

恋人ばかりが犠牲となった犯行は快楽殺人とみられ、現在に至るまで未解決のままだ。
1986年10月20日、アメリカ海軍士官学校を1981年に卒業した女性警察官キャスリーン・トーマス(当時27歳)とウィリアム・アンド・メアリー大学出身のレベッカ・ダウスキー(同21歳)が、コロニアル・パークウェイ沿いに停車していた1980年製のホンダ・シビックの車内で遺体となって発見された。

2人は交際中の同性愛カップルで、以前にも何度かコロニアル・パークウェイでドライブデートを楽しみ、殺害現場となる通称「ラバーズ・レーン」を訪れていたそうだ。司法解剖の結果、首を絞められ喉を切られていたことが判明した。

遺体と車に大量の灯油が注がれていたものの、火はつけられていなかった。不可解なのは、動機が全く見えないことだ。財布は盗られておらず、服は着たままでレイプされた痕もない。

トーマスの指の間に犯人の髪の毛の塊が見つかったことから、いきなり襲われ激しく抵抗したものと思われたが、毛髪から採取されたDNAと、警察のデータベースに保存された犯罪者のDNAはどれも一致しなかった。
 

1年後の1987年9月22日、恋人同士のデイビッド・ノーブリング(同20歳)と14歳の少女ロビン・エドワーズが、バージニア州アイルオブワイト郡のラグドアイランド野生生物保護区で処刑スタイルで銃殺されているのが発見される。2人は3日前から行方不明となっていた
が、後の捜査でノーブリング運転のトラックが現場近くの駐車場で見つかったことから、車を降りてデートを楽しんでいる最中、凶行に遭ったようだ。ただし、金銭は奪われていなかった。
 さらに1年後の1988年4月10日、バージニア州にあるクリストファー・ニューポート大学に在籍中の男女カップル、リチャード・コール(同20歳)とカサンドラ・ヘイリー(同19歳)がパーティに参加した後、失踪する。

翌11日、コール所有の1982年製赤いトヨタ・セリカがコロニアル・パークウェイにあるヨーク川の展望台で発見。車内に残されていた衣類の臭いを嗅いだ警察犬が行方を捜したが、結局行方はわからず仕舞いだった。ちなみに、車の発見場所は2年前の事件現場とわずか数キロしか離れておらず、警察は彼らが殺害されたものと推定している。
 

翌1989年10月19日、1ヶ月以上前から行方不明となっていたダニエル・ラウア(同
21歳)とアンナマリア・フェルプス(同18歳) の男女カップルの白骨遺体が、バージニア州ニューケント郡の森の中で地元ハンターによって発見された。遺体は共にナイフで激しく傷つけられていたが、やはり金品類は残されたまま。

ちなみに、ラウアの車が遺体発見場所からわずか1・6キロの駐車場で乗り捨てられていたことから、2番目の事件と同様、観光デートの最中に何者かに襲われたようだ。そして、コロニアル・パークウェイ一帯での殺人事件は、これを最後にぴたりと終わりを告げる。 

犯行手口は微妙に異なるものの、有名なデートスポットでカップルばかりが4年連続で殺害された(1組は推定)事件を警察は同一犯による犯行と睨み捜査を進めたが犯人につながる手がかりは何一つつかめなかった。目撃情報も犯人と思われる遺留品も皆無。まさにお手上げ状態のまま現在に至っている。
 

一方、メディアも4組の恋人が殺害されたこの事件を大々的に取り上げ、新聞やテレビが特集で報道した他、1993年から1998年まで全国テレビで「ハイウェイパトロールの実話」なるドラマ(全6シーズン780エピソード)を放映。2021年2月にも有料テレビチャンネルのOXYGENネットワークがこの事件を題材としたドラマ「恋人たちの車線殺人事件」を放送したが、事件そのものの解決にはつながっていない。
事件は快楽が目的のシリアルキラーによる犯行の可能性が高いとして、FBIと警察は現在もなお犯人の行方を追っている。