本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

ヒットマンを雇い殺人パチンコ業界の闇

愛知県名古屋市中川区に本社を置くパチンコ機器製造メーカー「高尾」の代表取締役社長、内ヶ島正規さんが2018年10月25日朝、殺害遺体で発見された。

同社長は前日24日夜、飲み会に参加し1人で会社へ帰宅後、何者かに襲われたようで、社屋から遺体が見つかった同社の車庫まで10メートル近くにわたり大量の血痕が残されていた。

また、遺体に抵抗した際にできる防御創が複数あったことから犯人と激しく揉み合ったとみられ、首の静脈と動脈の両方を切られ、遺体のそばには凶器とみられる刃物が落ちていた。
 

殺人事件として捜査を開始した愛知県警は、周辺の防犯カメラに会社内のフェンスを乗り越え敷地内を歩き回る不審な人物が写っているのを把握。

現場の痕跡などから犯人は車庫付近で内ヶ島社長を殺害後、東側のフェンスを乗り越え北側へ、そして別の会社のフェンスを乗り越え北東へ逃走した可能性があると推定した。

ちなみに、殺害現場となった車庫は会社のビルから離れた倉庫のようなセキュリティシステムが敷かれた建物で、ここが社長専用車庫だとは知らない従業員もいたという。

つまり、犯人はこうした会社の内部事情に精通していた人物ということになる。 

内ヶ島さんが社長を務めていた「高尾」は1950年に創業した同族経営のパチンコ機器メーカーで、内ヶ島さんは3代目。2016年に社長となってから業績を伸ばし、事件当時は全国13 ヶ所に支店を置き従業員は約220人、年商200億円を売り上げ、業界12位の地位にあった。
 

しかし、内ヶ島社長の周辺では事件前から様々な黒い噂が渦巻いていた。

「高尾」では2018年、ギャンブルがテーマの漫画『賭博黙示録カイジ』を題材としたパチコン台を製造し、全国のパチンコ店に納入していたが、玉の出方が設計と違ったことなどから、性能を巡りパチンコ店とトラブルになり補償問題にまで発展していた。また、同社では以前、男性幹部2人が取引先のパチンコ部品メーカーと契約する見返りにバックマージンとして現金を受け取っていたことが発覚。

彼らは退職に追い込まれたものの、他にも事件前の半年で10人の従業員が会社を去っており、内ヶ島社長との間に何らかのトラブルがあったのではないかとも噂されていた。
 

極めつけは、事件の前年の2017年4月、フィリピンの首都マニラで起きた襲撃事件だ。
内ヶ島社長が、パチンコ関連事業の視察目的で知り合いのパチンコ部品会社の社長と現地を訪れていた際、車で移動中にバイクに乗った2人組に銃撃されたのだ。

この事件で、同行の部品会社の社長が死亡。内ヶ島社長に怪我はなかったものの、地元メディアは銃痕の位置から、犯人が本当に狙ったのは内ヶ島社長だったのではないかと報じた。  
この他にも遺産相続の問題や、自宅が窃盗被害に遭うなど内ヶ島社長の周辺では数々のトラブルが発生している。内ヶ島社長が周囲から恨みを買っており、それが動機で殺害された可能性は高い。
犯罪心理に詳しい東京未来大学の出口教授は防犯カメラの映像を見て、次のように分析している。

犯人は、タバコを持った腕を大きく振りながら目的地に向かっており、これから殺人を犯すという緊張感が全く感じられない。服装も目立たないような普段着。こうしたことから、犯人に怨恨とか憤怒などの感情はなく、誰かに依頼されて淡々と目的を果たしているのではないか。

つまり、この事件はヒットマンによる犯行ではないか──。
この推理が正しければ、ヒットマンを雇い殺人教唆を行った人物が他にいることになる。果たして、内ヶ島社長の殺害を企て、それを実行した人物は誰か。愛知県警捜査本部は引き続き、逃げた犯人の行方を追うとともに、事件の背景を慎重に探っているが、未だ事件解決の発表はない。