本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

性病・エイズ検査を適当にやる検査機関

当店の性病検査は万全です
フーゾク店の文言を信じるのはあまりに危険なのではないかと
フーゾク遊びの好きな男性にとって、一番の心配コトといえば、クラミジアや淋病などの性病感染でしょう。まして、生死にかかわるエイズなど何よりも避けたい病気のハズです。
「でも、オレの行きつけの風俗店は、月に数回、女のコに検査をさせてるから大丈夫」
もしアナタがそう考えているなら、いまいちどお店に確認するべきです。その検査は、本当に信頼できる医療機関が行っているのかと。
以下の体験談を読めば、いかに【当店の性病・エイズ検査は万全です】の文句がいい加減か、わかると思います。
看護師の仕事を離れていた私が、再就職を決めたのは春。末の子供が小学校へ入学してすぐのことです。新たな勤務先はx衛生管理センター。私の地元にある有名なソープランド街の協会が管理運営する「性病・エイズ」の検査機関です。
勤務時間は午前10時ー午後16時と短く、日給はー万。おまけに完全週休2日という条件は、不規則な病院勤務に慣れた私にとって破格の条件でした。一般的に、フーゾク店の性病検査は、もっぱら保健所や病院が行うものと思われがちですが、ことソープ街に関しては、xのような独自の検査機関を設置するケースも珍しくないんだそうです。
しかし、働き始めてまもなく、おかしなことに気づきました。
Xでの私の仕事は、ソープ店を定期的に訪れ、従業員女性から淋病、クラミジア、梅毒といった性病検査のための検体を採取することです。が、どこをどう探しても、xに肝心の検査設備が見当たらないのはどういうことでしょう。
そもそも、私と所長の他にスタッフがー人もいないってのも妙な話だし。なんでっ恐る恐る尋ねる私に、所長はシレっと言います。
「検体は別の専門検査所に送ってるから、ウチは何もやらなくていいんだよ」
「何もやらないっじゃここはいったい、何のためにあるんですかっ」「つまりね」
所長の口からもれたことばに、私はア然としました。各ソープ店のオーナーが共同出資して作ったというこのx、実は検査にかこつけて、ソープ嬢から高額のマージンをせしめるのが本当の目的だというのです。具体的に説明しましょう。
×の行う性病検査は女のコー人につき、ー回3万円かかります。費用はすべて女のコの自己負担で、検査は店側の強制です。勝手に病院で検査することも許されません。ところが、Xが検査業者に支払う額はー人につきたったー万。つまりここで、2万の利ざやが生まれるワケです。
先ほども書いたように、ソープ街には店舗が15あり、それぞれ女のコの在籍数は15~20人程度。よって、月に二度検査を実施すれば、全体で1千万前後の金がxに転がり込む計算になります。各オーナーは、そのー干万から私と所長の人件費や諸経費などを引いた額を分配しあってるというのですから、開いた口がふさがりません。
何も知らず搾取され続けているソープ嬢たちに、私は心底同情するのでした。
それでも検査自体がマトモなら、まだ理解はできます。少なくとも客の身の安全は保証されるのですから。しかし×は、その点についても極めてズサンでした。検体や書類のデタラメな管理など、細かい例はいくらでも出せますが、特に声を大にして言いたいのはエイズ検査についてです。
Xでは、エイズ検査をイムノクマトブラフィー方式で行っています。いわゆる市販キツトを使った簡易検査なので精度は低く、事実、エイズウィルスに感染しても陰性と出たり、またその逆の結果が出ることもあるのです。
かりにも衛生管理センターを名乗る組織が、そんなオモチャのようなキットを使ってるなんて。あり得ないーやがて、もっとも恐れる事態が起きました。ある日、検査所から送られてきた検査結果のなかに、HIVの陽性反応アリの女性がー人、紛れていたときのことです。
「所長、はやく本人を病院に連れてって、確認検査を受けさせましょう」
私としては看護師として当然のことを言ったまで。しかし彼は、信じられないことを口にしたのです。
「大丈夫だって。どうせ擬反応(エラー)だから。あなたもイムノクマトブラフィーのいい加減さは知ってるでしょ?」
「だからといって放っておくわけにはいきませんよ。病院へ連れていきましょう」
「その子のお店は基本、スキン着用が義務だから心配ないって。大丈夫大丈夫」
全然、大丈夫ではありませんでした。その数力月後、Xに、件の女のコが在籍する店の店長から、抗議の電話が入ったのです。
「おい、アンタらさ、ホントにちゃんと検査やってんのか?ウチの女どものデータ、全部見せろー」どうやら彼女の常連客のー人が、たまたまエイズ検査を行ったところ、陽性反応となり、検査書を持って怒鳴り込んできたんだとか。
幸い、女のコは大学病院での確認検査で「陰性」と判断され、大事には至らなかったものの、コトはそれだけで収まりません。そのときの騒ぎを聞いていた店の客が、【日本屈指の〇〇ソープ街はエイズ患者多しーHIV感染拡大の温床】などとネットに書き込み、一時期、客が激減したのです。
私に言わせれば、それもこれも×のようなふざけた組織を立ち上げた、オーナーたちの自業自得ですが。結局、私はー年ほどで×を退職しました。エイズ騒動が引き金となり、それまで溜めこんできた不信や不満が頂点に達したのでしょう。現在は地元の総合病院で忙しい毎日を送っています。私は皆さんに、フーゾクは、絶対に行くなと言いたいのではありません。ただもう少し危機感を持っていただきたいだけなのです。ナマはやめましょうね。絶対に