引っ越し時に、旧住所に届いた郵便物を新住所に届けてくれる郵便局のサービス、『転居届』はイタズラに使われがちだ。
郵便局に常備してある専用用紙に、名前と旧住所と新住所を書いてポストに投函するだけで、特に本人確認などもなく転送を受け付けてくれるため、ターゲットになりすまして架空の転居届を出し、本人に届くべき郵便物を、テキトーな赤の他人の住所に飛ばしてしまうといった悪さが行われる。
本当にそんなことができるのかと思うかもしれない。配達の郵便局員もバカではないはず。家に人が住んでいる気配がするのに引っ越したなんてオカシイなと勘ぐるのでは? 新住所の家主から「そんな人いません」と連絡が入るのでは、と。
しかし、イタズラを働く人間は用意周到に、転居届の次の項目にチェックを入れる。「上記の転居者以外で引き引き続きお住まいになるかたの有無。います( )」
これで引っ越しの気配がない問題はクリアする。さらに新住所は、大企業に。本人の在籍など関係なく、集合ポストに投函されるからだ。