本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

ピル治験海外ツアー女性バラバラ殺人事件

1986年5月20日、東京都葛飾区在住の豊永和子さん(当時22歳)を含む5人の女性が、日本人女性を対象としたドイツで行われるピルの治験ツアーに参加するために成田空港を出発した。

5人は6月9日から9月12日までの間、フライブルク市にあるホテルに滞在しながら治
験要員として過ごした。
治験終了後、豊永さんはすぐに帰国せず、9月17日にイタリアへ入国してから欧州各国を旅行。
10月4日にフィンランドのヘルシンキに入り「これからコペンハーゲン経由で南ヨーロッ
パを旅行する」と家族に手紙を送って以降、行方不明となった。
 

遺体が発見されたのは10月31日のこと。デンマークのコペンハーゲン港で、タクシー運転手が海面に漂っていたプラスティック製のバッグを発見した。

中身を調べると人間の下半身や脚の一部が詰められており、タクシー運転手はすぐに地元警察へ通報。デンマーク警察は港と周辺の海中を徹底して捜索を進めた。

 

その結果、残りの頭部や腕も見つかり、11 月7日までに遺体の全てが発見される。デンマーク警察が国際刑事警察機構(ICPO)を通じて各国に遺体の特徴を手配したところ、翌年1987年6月に日本の警察庁から遺体と特徴が似ている女性の捜索願が出ているとの連絡が入る。

さっそく、指紋照合が行われ、結果は一致。遺体は豊永さんであることが確認された。彼女はなぜ、誰に殺されたのか。

実は、1986年以前にも治験ツアー絡みの類似事件が起きている。国籍不詳の外国人女性2人が、1982年と1985年に欧州の女性を対象とする治験ツアーに参加した後、バラバラ死体となって発見されたのだ。
このツアーを企画したのは西ドイツ(当時)のフライブルク市に拠点を置く臨床薬理
試験会社で、豊永さんが参加したツアーも企画していた。

当時、多くの医薬業界関係者は、なぜ多額の費用をかけてまで治験ツアーを行うのかよくわからない。海外の製薬会社が治験を行う場合は、国内の大手製薬会社や大学に依頼するのが通常であり、日本の女性をわざわざ海外に連れ出すなど、いまだかつて聞いたことがないと疑問を呈したが、会社側は事件との関与を完全否定した。


豊永さんの遺体が発見され31年が過ぎた2017年8月、奇妙な事件が起きる。スウェーデンの女性ジャーナリストで手作りの潜水艦を取材中に行方不明となったキム・ウォールさん(当時30歳)の頭部のない胴体が、コペンハーゲンの海岸で見つかったのだ。犯人はデンマークの発明家で当時46歳のピーター・マドセンなる男性だったが、現地メディアの報道によれば、この事件と豊永さんの事件に共通項があり、デンマーク当局が捜査中だという。果たして真相は明らかになるのだろうか。