本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

街に設置してあるものをヤフオクやメルカリなんかで勝手に転売する奴

生まれも育ちもクソ田舎の俺の周りには、昔から悪いヤツが多い。恐喝や窃盗、詐欺に至るまで、とにかく金儲けするためなら手段を選ばないのだ。
 
つい先月も、中学時代の友人に、とある話を持ち掛けられた。
「あのさ、小銭稼ぎキョーミない?」
「小銭?まぁ欲しいけど」
「よし、じゃあ今から行こうぜ!」
 
そう言って深夜に連れていかれたのは、飲み物の自販機が3、4台ほど置かれたコーナー。まぁ田舎なんかにはよくある場所だ。
「は?まさか落ちてる釣銭を拾うとか?」
「まー、待てって、これだよこれ」
指さすのは、自販機の前に置かれた赤いベンチ。背もたれの部分には「CocaCola」と英
語で記されている。皆さんも一度は見たことがあるであろう、あのベンチだ。
「まあ、要はこれをパクるんだよ」
 
実はこれ、都心の若者を中心に人気があるらしい。なんでも最近は昭和っぽいレトロなグッズが流行っているため、ヤフオクやメルカリなんかでは、中古でも1台2〜3万円ほどで取り引きされているというのだ。
「でもさ、こんな大きなモノをパクったらバレるだろ」
 
友人を引き留めようとクギを刺すが、ケロッとしている。
「大丈夫大丈夫。田舎でこんなのパクっても、誰も気づきやしないって」
近所の住民も、「撤去されたのかな」くらいにしか思わないし、飲み物の補充をするニーちゃんも、いちいちどこの自販機にベンチがあるかなんて把握していない。
 
事実、友人自身も過去5、6回ほどベンチをパクっているが、表沙汰になったことは一度もないという。 
持ち帰った後は至ってシンプル。ネットオークションで売れたら、近所のヤマト運輸に電話するだけだ。「らくらく家財宅急便」というサービスを使えば、家まで集荷に来て、梱包なんかも全部やってくれるんだそう。
送料負担も落札者に設定しておけば、ほぼ丸々儲けが入るというわけだ。
「だからさ、ささっとベンチパクろうぜ」
もちろん俺はキッパリと断った。コカコーラさん、早急に対応した方がいいのでは?