本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

自殺の悩みを持った人間に生命保険に入らせてから自殺をさりげなく進める男

過去、何度か死のうとしたことがある。

1度目は中学2年の時、原因はバレー部内での陰湿なイジメだ。

首吊りを考えたが、唯一の友人に諭されて思いとどまった。
2度目は高校に入学してすぐ。このときは、理由もなく
ただ生きるのがイヤになった。
が、やっぱり怖くて何もできず、彼女ができたことを境に
いつのまにかそんなことも忘れてしまっていた。


3度目は…。いや、もうやめておこう。逐一数えていたらキリがない。なにせ私はこの間、長いタームでの操諺を繰り返し、急に死にたくなっては思いとどまる生活を送ってきたのだから。

ここ数年は自殺が頭をよぎることなどなく、穏な日々を送っているが、またいつなんどき諺が頭をもたげてくるかは自分でもわからない。

今からちょうど2年前のこと。
過去を振り返ってばかりの内省的なブログには、少ないながらも毎日のようにアクセス
があった。
見知らぬ少年から1通の長いメールが届いたのは、ホームページ開設から2カ月ほど経ったときのことだった。
「もうイヤんなったんです」
と題されたその文面には、彼の申生活が事細かに記されていた・

読むと、どうやらこの少年、度重なるイジメに耐
え切れず自殺を考えているらしい。
はっきりとは書いていないが、悩みの相談に乗ってもら
いたがっていることは理解できる。自殺の危機を幾度とな
く乗り越えた先輩に、何かしらアドバイスしてほしいのだろう。

しかし残念ながら、私には月並みな激励文を返信するし
か対処のしょうがなかった。
生きていればきっといいこともある、そんな浮ついた言葉になんの力もないことは自らの経験上イヤというほどわかっていたが、かといって説得力ある言葉など持ち合わせていなかったのだ。


反対の立場を捨て去った私は、すべての相談者に対し自殺はいけないよと諭すブリをしながら、暗に事故死を薦めるメールを送るようにした。しかも具体的な方法を添えて。
〈高速道路で怪しまれずに中央分離帯へ激突する方法〉
〈急カーブでセンターラインを超えて大型トラックへ突っ込むテクニック〉
〈死角の多い県》
〈左折車が猛スピードで横切る方法やテクニックと言っても、酒や睡眠薬を飲むだの、アクセルをめいっぱい踏むだのと、ありきたりなものばかり。地名は、過去の事故現場
を丸写しし三日から危険な場所だった。だからこんな事故が起きた」と無理矢理説得力
を持たせた。
むろん、自殺常助にならぬよう、あくまでこんな方法が一あるんですよと教授するのみにとどめ、実際にするかしないかの判断は自分で決めろと結ぶ。
それまでは観念論のやり取一りばかりだったメール交換が、このスタンスをとるようにな跨って以来、〃前〃に進むようになった。

ほとんどの者が吹っ切れたように感謝の言葉を述べ、しばらく後にメール
の返信をストップするのだ。
メールが止まる。そう、つまりはそういうことだと考えていいだろう。

イジメ、借金、コンプレッ・クス。ページ内に「こんな私
でよければ、相談にも乗ります」と記してからは、新規相
談も山のようにやってくるようになった。
そして今、私は次のような一文を添えることにしている。
他人を死地に送り込むだけではつまらない、せっかくなら
実利をも手にしようと欲を出し始めたのだ。
死を試みる前に、私を受取人とした掛け捨ての生命保険に入っていただけないでしょうか
自らの死に方をも他人に委ねようという連中だ、きっと意のままに動いてくれることだろう。