本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

女房と子供を残して海外逃亡

ブランド品の輪人と株の投資で当てたオレ

家族を残して毎夜、銀座のクラブだの古原の高級ソープをハシゴする中恐いモノといえば女房のかんしゃくくらいだ

しかし、儲かれぱ儲かるほど、 組のアニキの溝は深まるばかりだった。 
そんなある日、アニキがやっかいな話をもち掛けてきた

「石井、オレの兄弟分が今度、× ×ホテルでK(某女性歌手) のディナーショーやるんだよ。おめえの方でチケット100枚さばいてくれねえか。昔興行かじってたから、大丈夫だよな」

チケットは1枚3万つまりも 1500万円を丸々引き取ってくれという。

売れてもオレにはプラマイゼロ、残ればそのまま借金

しかも、歌い手が落ち目とくれば失敗は目に見えている。

断るわけにもいかず引き受けたはいいが、悪い読みは的中200枚さばくのがやっとだった

もしかしてアニキ、オレのことをツブシにかかっているんじゃ・・

一抹の不安が脳裏をよぎる。

組の財政があっぷあっぷしている中、1人だけ羽振りのいいオレに、泥をかぶせてやれという魂胆なのか。

〈冗談じゃねえ、そんなマネできるかー〉

考えた挙げ旬一うれ残りを引き取ってくれるよう申し出る。が、 アニキはクビをタテに振らない。 
「じゃあ、仕方ねえ。売残り分の 1千万、オマエの名義でトイチから借りとくからな」 どうせ脅しだろ~そう思っていたところ、ホントに追い込みがかかった。

自宅にヤクザ面した連中がやってきては怒鳴り散らかすようになったのだ。 まあもたかがー干万。それくらいの金でガクガタ騒ぐオレじゃな い。

・・と言いたいところだが、悪いことは重なるもの。

メーカーの株が不祥事で暴落、新たにー千万の借金か抱えることになった。これを取り戻すべく、さらに投資を思い切ると、またマイナスに

あっという間に負債は3干万以上に膨れ上がった

慌てて金融機関から、果ては女房の違い親戚まで、必死に金策に走ったが、結局は焼け石

「今どきのヤクザやったら、1千万くらい返せるだろうがーコラァ」

そらみたことかとアニキがホザく。

「コラ、いるのはわかってんだぞ。早く金持ってこい」

そんな電話が毎時、毎分おきにかかってくる。こんなことならいっそアニキと取りたての連中全員を撃ち殺してやろうか。 しかし、ワリが合わないーくそー。いったいどうすれば・・

ちょこっと外国にでも消えるか

さすがに女房と子供は連れていけないから、金で誰かにかくまってもらうしかあるまい、 そんな結論に至るまで、さほど の時間はかからなかった。

海外に飛んだ人間などー人もいないから、まず大丈夫!

田舎を逃げ回るよりよほど安全だろう。 しかしそれにはとりしても金が必要だ。自分の逃走金、そし て日本に残す女房と子供の金を調達しなければならない。 オレは最後の望みを胸に、懇意にしていた代紋違いの親分の元へ足を運んだ。

「社長(とオレは呼んでいた)、 舎弟がへタ打ってどうしてもスグ に金が要るんです。なんとかな ませんかね。命に賭けても返しますから」

頭を地につけて懇頴すると、社長はいった。

「なんでつまついたのか知らかえ けど、こっちも世話になったしな。 実は知り合いにロレックスのブローカーがいるんだよ。ワシの名使うてもいいよ。まあそこに行けぱ10本くらいは都合してくれる。 でもいいか、後は自分でケツふけまあちょうどよかったよ。ワシ仕事で香港行くから、こっちに確認取られてもうやむやにできる」

「ありがとうございます」

紹介してもらったブローカーの事務所へ駆け込む。

親分から許可もらってるんだ。10本くらい出してくれるか

冷や汗がにじんでいたが、 なんとか話は通りロレックス10本をゲット

その足で質屋へ 行き、800万手にし た。そのうち、半分は女子供を引き取ってくれる親類に送金。残りの400万を自分の懐に入れ、 タクシーで成田空港を目指した。

機内アナウンスとほほ同時に、 ゆっくりと機体が下降していくのかわかった

タイには公私に渡って訪れていた。食う・泊まる・買うには十分なタイ語も話せる。 

 

才レはまず、宿を確保し 不動産を探した。住居を借りた方がよっぼど経済的だ。

サイアム通り近くの高級サウナへ行ってドリアンを食いながら寝そべっていると、現地の男が近づいてきた、歳のころ、50くらいか。

結構な地位の人物なのかもしれない。

「オマエ、ジャパニーズヤクザだろう」 

「ノー」といいたいところだが、 なんせ首や手にキンキラのアクセサリーを付け、背中には龍が躍っている。ウソはつけない

「まあね」と答えると「なんかまずい事しでかして逃げてきたのか」ときいてくる。 「バンコクが好きだから来たんだ」

タイ語で答えたのがよかったの か、男はニンマリした顔。

男の貿易業やらレストランやら、いろんな商売をやっているらしい。 

じゃあこの貼り紙、見たか一

えつ?と振り向くと、背後にはー枚のポスターが

チェンマの援護金にご協力を

読むと、なんでもタイ北部の都市チェンマイで川が氾濫し、死者が出たらしい。

「オマエ、こんなところに来ているんだったら、寄付くらいできるだろ」

よくわからんが、たぶんそんなことを言ってるんだろ、冗談じ ゃね、誰が寄付たんかするかよ。 とは思っが、ここで男と知り合いになっておけば何かいいことがありそうな気がする。ヤクザモンのカンというやつだ。

寄付したのはその3日後のことだった。 


数日後、いつものサウナで寝そべっていると、ヌワンキットか近寄ってきた。

「オマエいいことしたなあ。ほら、 これを見ろ」

ヤツがバンコクポストの切れ端を差す

え、何だコレは

ジャバニーズビジネスマン、米ートン

そんな見出しとともに、事務局で撮られたオレの顔が載っているではないか

なんてこったい。どこのトンズラ野郎が自分の顔を新聞に載せるっんだくそー、これでもう今のマンションには住めなくなった。すぐに引っ越しするしかない

「あのさ、今の部屋、家賃高くて住めないんだ。なんとかならないかねえ」

オレは、彼に知人の不動産屋かマンションのオーナーを紹介してくれないかと頼み込んだ。

すると「ちょうどよかったー」

とヌワンキットりサイアム通りにほど 近いマンションのオーナーを紹介 してくれるといい、行ってみると、これがまた広い広い。

部屋がずらりと並んでいる。 オーナーの話では、これを1部屋 4万円で好きなだけ貸してくれるらしい

オレは考えた。タイに進出しようとしている日本人に又貸しすれば、きっと金になる。 

入居候補者が集まり、いよいよ 本格的に始めようかというある朝、女と部屋に寝ていると、「ビンポーン、ピンポーン」

ベルが。 

部屋の外の廊下にスーツ姿の男 が5人ほど立っていた。

すかさず警官が人り込んできた

なんで、オマワリが来るんだ。

「実はオーバーステイしてい ると情報か入ったんだ。ピザ は2カ月までって知っぐるだろ。 警察に来てもらえないか」

と、その瞬間、あるー人の男が浮かんだ。

タムフという男経営コンサルティングをやっているヤツとは飲み屋で意気投合した仲だ。酔った勢いでつい漏らしたことがあるに違いない、アイツがチクりやかったんだ。