本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

ホントに起きた謎の出来事・家の中に置いておいた合鍵が外に置いてあったのだが

今月報告するのはミステリーである。

作り話ではない、正真正銘、ホントに起きた謎の出来事だ。
ドアの真ん前に置いてあるのが気になる
 
5月下旬、仕事を終えてコーポ中野に帰宅したのは夜10時ごろだった。
 
道路から数歩あるいて101号室の前へ。と、ドアの前にカギがひとつ落ちていた。
車や自転車のではなく、家のカギだ。
 
誰かが落としたのか?
それにしては、まるでオレに返却するかのように、ドアの真ん前に置いてあるのが気になる。
そっとカギを拾ってみた瞬間、寒気を感じた。なんだろうこのゾワゾワは。よもや…。まさかと思いつつ、101号の鍵穴に突っ込んでみる。すんなり奥まで入った…。
 
右へ回す。ガチャ。開いた。
思わず尻ポケットに手を突っ込んだ。

いつも持ち歩いているカギは、確かにそこにある。
ということは、こいつは合いカギか。
 
そっと部屋へ入り、合いカギを置いているはずの冷蔵庫の上を見てみた。ない。
呆然とした。なぜ冷蔵庫に置いていた合いカギが、ドアの外に?
 
何が何だかさっぱりわからない。とにかくまずは、部屋が荒らされていないか調べないと。 
窓の鍵は閉まっている。部屋で唯一高価なパソコンもそのままだ。念のため、起動履
歴をチェックしてみたが、電源がつけられた形跡はなかった。
 
いや、そもそも空き巣の仕業なのか? 
空き巣がなんらかの方法で侵入したのだとしても、合いカギをドアの前に置いておく
理由がない。わざわざ家人にバレるようなことをしてどうする。
 
ここは素直に考えよう。冷蔵庫の合いカギを外に持ち出せるのは、過去、この部屋に
やってきた誰かしかいない。
オレも冷蔵庫の上など意識的に確認しないので、気づかぬうちに日々を過ごしていたんだろう。
なぜ持ち出したのか、なぜドア前に置いたのか、そのへんの疑問は後回しにして、まずは犯人の目星をつけねば。
 
最後にオレが合いカギを目にしたのは、先月号登場の裕香さんが帰った後だ。
 
それ以降に部屋に来た人間は3人のみ。
今井……3年以上の付き合いになる俺の友達で、お互いの両親も知っている仲
アヤカ……知り合って日の浅いキャバ嬢
サトミ……新歓コンパでナンパ。
 
今井がそんなことをするヤツじゃないのはわかっている。
容疑者から外してもいいだろう。
残るは2人の女だ。キャバ嬢アヤカとは肉体関係があるので大丈夫だと思うんだが、ま、とにかく電話しよう。
アヤカの弁……『何言ってんの?  そんなことするわけないじゃん。だいたい、あんな
ボロい部屋のカギを盗んでどうするのよ』
 
こいつはキャバクラで結構稼いでいて、新宿の高層マンションに住んでいる。グレー
ドの下がる中野区のアパートカギを盗んだって仕方ない。シロか。
 
次は最も怪しいと踏んでいるサトミだ。あの日、家に泊め、朝起きると彼女はいなか
った。処女を奪おうとした男に恨みをもち、合いカギを持ち出したとしても不思議ではない。
 
何とかラインの通話がつながった。
サトミの弁……『は? なんであたしがそんなことするのよ?それに、家の場所なんて覚えてないよ。タクシー拾うのだって大変だったんだから』
 
うーん、どうだろう。こいつしかいないと思ってたけど、嘘を言ってるようにも聞こえ
ないんだよな。
謎の行動に筋が通るのは… 
残る可能性は、 
霊 
である。 

なんてことを言う気は毛頭ない。霊がなんで冷蔵庫のカギを玄関前に置くっていうんだ。 
オカルトを廃すならば、こんな推理もできうる。 
失踪者があいつぎ、死人まで出たこの部屋は、ずいぶん以前から第三番目のカギが作
られており、その持ち主が歴代住人に対してなにかを仕掛けつづけたため、以上の事態
を招いた。
 
今回の一件は、そいつによる脅し。つまり、
―お前の部屋にはいつでも入れるよ―
という意味の。
 
そもそも「善意」での返却ならば、あんな目立つところではなく、郵便受けにでもほ
うりこんだほうが安全なわけで、逆に「悪意」ある者ならば返却する理由がない。
「脅し」だからこそ、目立つ場所にそっと置いておくという謎の行動にも筋が通るのだ。不動産屋に問い合わせたところ、部屋のカギは入居者が変わるたびに付け替えてはいないとの返事だった。