本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

ボスがメールで強姦を支持・インターネットレイプ団

25才のOLが集団レイプを受けた。犯行に気ついた隣人たちが犯人を捕らえてみると、彼らは互いに顔も知らない者同士だった。IT時代を象徴する暴行事件の顛末

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極上の女だけを襲う秘密のレイプ組織
複数の男による暴行事件ー。
通常のレイプ事件は被害者の申告があって初めて警察は動き始めるが、複数犯の場合、被害届の有無は間わない。

また、レイプ犯は常習者が多く、複数の犯行が明らかになるのが常である。警察の取り調べの結果、この事件がかなり特殊なケースであることが明らかになった。なんと三人は互いに面識もなく、事件当日に初めて会ったと言うのだ。

「じゃあ、どうやって知り合ったんだ」

「ネットです」「ネット?」

「自分たちは《レイプ帝国》の仮会員で、正会員になるための試練としてボスから指令を受けたんです。あの社員寮に住む二四才のOLを暴行しろって」

「そのボスってのはどこのどいつだ?」

「わかりません。連絡はいつもメールでしたから」

男たちの話によると、九九年六月、「禁断の世界」というアングラホームページの掲示板に「我々は極上の女だけを選んでレイプする秘密組織です」という書き込みがあったという。

「レイプ現場はすべてビデオカメラで記録してあり、会員になればそのビデオを無料配布する。ついてはメンバーに欠員ができたので、希望者はメールにて連絡してこいうて」

面白そうだな。軽い気持ちでメールを送った男たちに、ボスから返信が届く。

「会員は誰でもいいわけじやない。素質があると多数の希望者の中から選ばれた以上、しっかり働いてくれ。うちの組織は裏社会とつながりがあるので、裏切った場合は制裁
を加える」

選ばれた特別な人間とおだてる一方で、組織の恐ろしさを叩き込む。アメとムチを振るわれ、ボスの命令は絶対と思い込んでしまったんですと、犯人の一人、大阪府高槻市会社員・広川一也、仮名、三九才はうなだれた。

実は広川は、以前にも被害を受けた二四才女性を強姦するよう指示されていた。自ら手を汚すのは気が進まなかったが、レイプ帝国の入会の試練と言われ実行に及ぶ。

が、結局、女性に騒がれ未遂に終わった。

「ボスにひどく怒られました。失敗は決して許されないと散散言われた上、もし逆らったら裏社会のネットワークを通じて告発し刑務所送りになると脅されて…」

広川は、どうしてもレイプを成功させ、正会員にならなければと追いつめられた。そこで彼が目を付けたのは、かつて住んでいた京都府長岡京市のマンションだ。

実は転居した後も、その合鍵を持っていたのである。確認したところ、現在その部屋には二二才の美容師が住んでいるらしい。さっそく広川はネットで相棒を募り、大阪在住の三三才男性とともにその部屋に忍び込む。九九年一〇月一八日未明のことだ。

「おとなしゆうせい」

広川は寝ていた美容師の頭にスタンガンを付きつけた。

「これが何かわかるか?ド手に動くと危ないぞ」

目を覚まし、我が身に降りかかった災難に気付く美容師。

「私、妊娠しています」

「わかった。外に出したる。その代わり口でくわえろ」

妄想することはあっても、レイプを実行するなど初めての経験だ。

内心ブルブル震えながらも相棒と交代でカメラを回し、美容師が「トイレへ行きたい」と言うと中まで付いて行って撮影した。

「そのテープをボスに送ると数日後、ダビング料として三千円が送られてきたんです」
さらに二〇〇〇年二月、東京都北区に住む女子高生を襲うよう指令を受けた広川は、再びネットで相棒を募り、話に乗ってきた埼玉在住の二三才男を相棒に選ぶ。

「このときもレイプに成功し、撮影したビデオはまたボスに送りました」

二度の成功で信頼を得た彼が、正会員になる最後の課題として利せられたのが今回の強姦だった。

「あの車椅子の男は何だ?」

「わかりません。ボスによると、組織の正会員で、我々よりステージが高いとのことでした。ターゲットと同じ社員寮に住んでいるので参加したようで。手引きは彼が行うから現場での指示は従うようにと言われたんです」

もう一人の犯人、宮本和重(仮名、二八才)は、女子高校生を強姦したときの相棒で、この組織のことを聞いて仲間に加わった男だ。宮本もまたボスの指令に乗せられ、埼玉県内の女性など三人を強姦してはビデオで撮影していたらしい。

「ボスのことはわかりません。ハンドルネームは《あき》でした。事前にメールで連絡をもらい、横浜市南区の社員寮に行くよう命じられました。そしたらあの車椅子の男が寮の管理人室からマスターキーを盗み出していて、我々は二五才の女性の部屋に案内され、そこで女性が帰ってくるのを待ったんです」

男が《ボス》に命じられるまま犯行を重ねていたのは疑いないようだ。ではいったいボスとは誰なんだ。車椅子の男・大山にそのことを問いただしても

「自分は人に脅かされて、見張りをさせられていただけ」

と繰り返すばかりでラチがあかない。捜査は、暗礁に乗り上げたかに見えた。

しかし…絶対に会えないメル友を代理レイプさせる「なんだこれ?」

供述の裏づけを取るため、社員寮にある大山の部屋を家宅捜索した署員は、そこでレイプ現場を撮影した数本のビデオテープを発見する。さらにパソコンからは《ボス》としての交信記録も見つかった。これらを警察に突きつけられては、大山も言い逃れができない。

【レイプ帝国】という架空の組織をぶちあげ、自分がボスとして君臨、広川や宮本に指令を下していたことを認めたのである。

「最初は冗談のつもりでした。でも、一〇代から四〇代までレイプ願望を持った多くの男たちから『メンバーに加わりたい』というメールをもらううち、憧れている女性たちが陵辱される現場を見たいと思うようになって…」

大山が広川に最初に命じた二四才の女性は、同じ職場で働く憧れのマドンナだった。「東京の女子高生や埼玉の女性はメール友達でした。自分が会えば嫌われると思って」大山はこれらのメル友に、自分は莫大な資産家の後継だとか、高級スポーツカーや大型クルーザーを乗り回しているなどと嘘八百を並べ立て、写真を送ってほしいという要請には、別のハンサムな男の写真を送っていた。

こうして現実とかけ離れた偶像を演じるうち、ますますこれらのメル友と会えなくなり思いが蓄積して代理レイプという形につながったのだ。

「女たちが警察に訴えたとしても、犯人との接点はないので警察は通りすがりの犯行とみるだろうと思ったんです」

冗談半分の書き込みに反応した男たちによって送られてくるレイプビデオを見るうち、大山は自分も参加したい欲望に駆られる。そこで考え出したのが【ステージの高い手引き役】だ。

広川と宮本を実行犯に選んだのは「複数のレイプを成功させ実績があったから」だという。

ボスは懲役12年実行犯は拘置所で自殺

逮捕当日の様子は、大山たちの供述や被害者の申告から明らかになった。事前にメールで「以前に失敗した二四才OLと同じ社員寮に住む二五才OLを襲う」という連絡を受けた広川と宮本は、午後八時、現場となった大山が住む横浜市南区の社員寮に集合。

そこで初めて顔を合わせた三人は、大山があらかじめ盗み出していたマスターカードキーで被害者・高田景子(仮名、二五才)の部屋に侵入する。大山は広川に車椅子を押してもらい移動したそうだ。犯行の段取りとしては、まず部屋を暗くしたまま広川と宮本の二人が部屋で待ち伏せ、帰ってきたところを襲い手錠をかける。

そのまま押し倒し、騒がれないよう口の中にハンカチを詰め込み、ガムテープでぐるぐる巻きにして目隠し。あとはこめかみにスタンガンを押しつけて脅し、交代で強姦する様をビデオカメラに収録するというものだった。

「私は外で見張りをしている。時を見て行くから、くれぐれも失敗しないように」

組織の正会員だという大山の指示に二人は素直に従い、間もなく帰宅した高田景子に襲いかかる。広川、宮本の順にレイプし終わると、すぐさま大山が部屋に入ってきた。「もうこの女はいい。君たちはもう一人のターゲツトの部屋に移動して同じように襲え」

一人部屋に残った大山は、緊縛されて動けない女性の陰部をビデオカメラで撮影しながらこねくり回した。一方、広川と宮本はもう一人のターゲット・新井由美(仮名、二四才)の部屋に忍び込み、彼女の帰りを待つ。

半年ほど前、広川がレイプを企て失敗した女性だ。やがて彼女が帰宅すると、二人は同じように襲いかかる。が、押し倒された彼女は「キャーッー」と大声で叫び、その声に気付いた隣室の同僚がすっ飛んできた。

「どうしたんだー何が起ころうとしていたかは一目瞭然である。広川と宮本は駆けつけてきた住人らに取り押さえられ、さらに高田さんの部屋にいた大山も引きずり出された。
高田さんは腕や顔なとに、一週間のケガをしており、二人は強姦致傷容疑で逮捕。また、大山の部屋から発見されたビデオテープなどが物証となり、結局、合計五人の女性に対するレイプ事件が立件された。
二〇〇一年八月一日、大山に対する判決公判が横浜地裁で行われ、「匿名の電子メールで犯行の発覚を防ぎ、倒錯した欲望を満たした卑劣な犯行」として、懲役「一二年(求刑一五年)がいい渡された。初犯で一二年の実刑とはいかにも重い判決だ。

一方、広川には懲役一六年(求刑一八年)、宮本も懲役一〇年(求刑一二年)の判決が出ている。宮本は控訴審で9年6カ月に減刑された、広川は判決がくだされた後、拘置所内で自殺した。冗談半分に始めた、インターネット【レイプ団】の結末は、あまりに重いものとなった。