本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

ラブホテルへ入った女の子はすでに死んでいた?

f:id:torivian:20190706184828p:plain

あれは今から5年前の夏の出来事だ。高校を卒業してすぐに青森・弘則のホストクラブに勤め始めた僕は、友達とテレクラに行き女の子を捕まえた。妙にテンションの低い女のはミカ。18才のフリーターだという。

当時のテレクラにしては珍しく、援助のエの字も出さない彼女とは簡単にアポが成立
した。夜はホストクラブの仕事があるから、翌朝8時に駅に来れるらしい。よっぽど暇なのか、そんな時間で待ち合わせだ。せっかくなので友達も連れていくことになった。

ベンチに座ってミカを待つ。
(ああ、昨日は飲み過ぎたな-、眠い眠い)
ウトウトしながら今何時だと携帯を見ようとしたとき、目の前に1人の女の子が立っているのに気づいた。内田有紀に似てなかなか可愛い。
「もしかしてミカちゃん?」
「はい」
ラッキー!
「そんじやホテル行こうぜ」

しかし、もう1人男がいるのを知り不機嫌になったのだ。車の中のミカは終始無言。だがそのまま3人でラブホテルへ入った。

ではさっそく味見といこう。まずはアポった僕からだ。Mにはソファで寝たふりをさせ、ベッドでミカと2人きりに。

「ミカちゃん可愛いよ」
「よく言われた…」
しゃべらなかった彼女がぼそっとつぶやく。
「仕事は何してるの?」
「仕事はもうできなくなっちゃった・・・」
なんだかなあ。話しかける度にテンションが下がるよ。
もうさっさとヤつちまおっと。僕はミカに顔を寄せ、おもむろにキスをした。
つめたい
まるで雪祭りの雪像のようだ。あまり興奮もないままあとは友達に任せた。

「おい、おい、起きろよ」

いつのまに眠ったのだろう、友達の声で目が覚めた。

「ん、どうした?」

目の前で、友達が青ざめた顔をして座っている。浴室から聞こえるシャワーの音。もう終わったのか。

「どうだった?」「それがさ、入れようとしたらアイツ変なこと言ってさ」

「変なこと?」

聞けば、冷たい肌を我慢して挿入しようとした友達、ミカはもう帰らなきやいけないと言い出したらしい。

「ふーん」「とにかく、もう帰ろうぜ」

せかす友達。帰るったって、まだあの子シャワー中だろ。

「いいから、放っといてもう 出ようよ」 「そっか」

ま、いきなり帰るなんて言い出す女、置き去りにしたってバチは当たらんだろ。1人残してフロントをどう通り抜けるかが問題だが、3人分の追加料金を払えば問題ないはずだ。ところがフロントのおばちゃんは

「いえ、お客さん、男性お2人でしたよね?」「ん?」

「お2人でしたよ。5900円になります」

あっけに取られて、僕たちはホテルを出た。いっそう顔を青くした友達が口を開いたのは、車が走り出してしばらくしてからだった。

★以下は、僕がソファで眠っていたときに、友達とミカとの間で交わされた話だ。

「帰るって、こんな時間に用事あるの?」「みんな待ってるから」

「みんなって誰?」「友達とか家族とか親戚。今、ちょうど最中だから、戻らなきゃ」「最中?」「そう。今日、私の葬式なんだ」

その台詞を聞き、頭がおかしいのかと思った友達は、こうチャカしたそうだ。

「へえ。じゃあミカちゃんはなんで死んだの?」

まるで子供をアヤすような友達に、ミカはゆっくり答えたという。

「公衆電話でテレクラに電話してたら、トラックが突っ込んできたの」

★体が異常に冷たかったことも、質問にすべて答えたことも、ある仮説を立てれば納得がいく。この世に悔いを残して死んだミカは、幽霊となって最後のテレクラ遊びを満喫しようとしたのだ。あのときシャワーを終え、部屋に誰もいないのを知った彼女は何を感じたろう。そのことを思っと、今も胸が痛む僕だ。