本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

レイプ・強姦専門の復讐代行屋

「じゃあ、紹介するわ。こちらか今日の主役、レイプマンさんでーす」

「どうも、佐々木です(仮名)。遠いところをご苦労様です。」

レイプマン。なんだ、酷い男ってのは強姦魔か。そりゃ非道なヤツには違いないだろうが、裏仕事師と言うより単なる犯罪者だよ。ちえ、せっかく大阪まできたのに。ガッカリした表情か顔に出たようだ。
話だけ聞いても信じられないでしょう。百聞は一見にしかずです。北野さん、行きましょ一気の弱そうなサラリーマン風情に見えた佐々木が、ゾクっとするような鋭い目つきをしながら立ち上がった。行くってどこへ。百聞は一見?もしかして、これからレイプしようって言うんじゃないだろうな。こいつ、オレを強姦の共犯にする気なのか。

「あの・・」

問いただそうにも、全身からみなぎる迫力に負け、言葉が出ない。
男も、心なしか緊張した面も男ちで後に続く。

「こちらへどうぞ」店の脇に停めてあったセダンに乗り込み、深夜の街を走ること30分。着いたのは場所もわからない静かな住宅街だった。小さな街灯以外、辺りに明かりはない。無言のまま歩き出した。

「あなたはあくまでも通行人です。たまたま取材でこの街にやってきて、ブラっと歩き回ってた。我々も散歩してるだけでね」

佐々木は、そう言いながらー棟のマンションの前で立ち止まった。外階段を上がり、2階のいちばん端のトアをそっと引く。

「……」

佐々木が、トビラの奥を見てみろと言うように、アゴで小さく合図する。ドアの正面に回り、人の気配がする部屋の中を覗き込む。と、真っ先に飛ひ込んで来たのは赤い小さな光だ。赤外線か?ナイトショツトでビデオの撮影でもしてるのか。何を撮ってるのだろう。そう思いながら力メラが向いた先に目を凝らすと・・ベッドかあった。

そして暗闇に慣れたオレの目に映ったのは、恐らく部屋の主と思われる女性の上半身を押さえつけている男と、女の上で動いてる黒い別のシルェット。

「えっ」振り返ると、佐々木はかすかにうなずき無言でドアを閉めた。ノブを握る手にはいつの間に付けたのか薄い医療用のコム手袋がしてあった。
「この店なら防犯力メラもありませんから」

人気のない裏道を走り、郊外のファミレスに腰を下ろす。いま見た光景が頭をよぎり落ちつかない。なのに目の前の佐々木は、何でもない顔つきでコーヒーをすすってる。手にはもう手袋などない。まさか、オレを担こうとしてヒモ男が仕組んだ芝居だったりして。神妙そうにミルクティなんか飲んでるけど、ドッキリでしたーってプラカード用意してるんじゃ。…そんなわけないか。どうしよう。このまま放っといていいものか。といっても、取材を頼んでおきながら自首を薦めるのも変な話だ。コーヒーを飲んだら帰っちまうか。それにしてもこの佐々木って男、何者なんだろう。

「あの部屋の女はね、キョウコっていう26才のOLなんですよ。一見、地味ですが、化粧映えするっていっのか、スナックでバイトしてるときは男好きする顔になるわけです」

だからレイプしたっていうのか。まさかコイツ、目に付いた女を片っ端から強姦しようとしてるんじゃないだろうな。

「アハハ、話の順番が違ったようですね。今日のアレは私の仕事なんですよ。依頼主はいまころ南の島でバカンスを楽しんでるんじゃないですか」

果たして佐々木の裏稼業は【復讐代行屋】だった。裏モノでも嫌がらせ屋や別れさせ屋など、憎い相手に仕返しをする仕事人を何度か取り上げてきたが、佐々木はレイプや暴行など物理的方法での復讐を受けているのだという。

「順を追ってお話ししましょう。まず、仕事の依頼なんですが、ほとんどクチコミです。インターネツトのアングラ掲示板をご存じでしょ、有料の。私、いくつかのサイトの会員になってまして、ウワサを聞いた方がそこに書き込む。
今日の依頼人は「レイプマンを知りませんか?」って感じでしたね。メールアドレスが添付してありましたんで、返事を出してみたんですよ。

「なぜレイプマンを探してるのか」

すぐに返事が来たそうだ。大阪で広告会社を経営しているというその界性は、35才で独身。スナックでバイトをするキョウコさんに出会い恋に落ちた。羽振りの良かった彼は、ー年ほど付き合う間に食事だプレゼントだとー千万近い金を注ぎ込む。が、

「一緒になろう」とプロポーズした矢先、会社が左前に。すると彼女は、あっさり彼を捨てたという。で復讐したいと

「いえ、違うんです。いったんは仕方ないとあきらめた。なのに去年になって彼女が二股かけてたことが判明したですよ。それで押さえていた分、憎しみが一気に噴き出したんですよ」「なるほど」

いつの間にか、オレは佐々木の話に引き込まれていた。信用に価する依頼人かどうか恋に破れた広告マンは、必死で会社を立て直す。ようやく一息つけたのは去年のこと。取引先に挨拶に出向き、彼女のウワサを耳にした。世間話の後、昔の担当者が何げなくこぼしたのである。そういえばあなたとも何度か一緒に行ったミナミの店に、キョウコって女かいたでしょ。知ってます。あいつ、うちの若いのに岡惚れして大変だったんですよ。他の男に貢がせた金を注ぎ込んだのに別の女と婚約するなんて結婚詐欺だなんだって、会社にまで押しかけてきちゃって

「最初は、彼の独り相撲だと疑ってたんですよ。ホステスに入れあけ、自分の女だと勘違いする連中は山ほどいますからね。でも、話に信憑性があったんですよ」

掲示板に書き込まれたメッセージにすべて返事を出すわけではない。コンタクトを取るかとうかは佐々木次第。詳細を聞いても、場合によっては自分の素性も明かさない。佐々木の方で依頼人を選ぶのである。

「まず同情できるかどうかがポイントですね。人道的にどうのこうのじゃなく、相手にまったく非がないと警察に訴え出て事件になる可能性が高くなるんですよ。今日のケースも、裁判沙汰になれば女がスナックでバイトして、男に貢がせてることが表に出ちゃいますからね。彼女は泣き寝入りするしかないんですよ」

なるほど。レイプされたことさえ公にしたくないのに、身に覚えがあれば被害届など出す気にならないだろう。

「仕事を引き受けてもいいと思つたら、相手と直接会って交渉する。確かに会うのはリスキーですよ、依頼人に私の証拠を残すわけですかりね。けど、いちばん恐いのは何だかわかります?あのね、寝返りなんですよ。だから実際に会って信用できる人間か自分の目で判断ずる。まあ、念書を取って釘を刺すって目的もありますけどね」

確かにビビった依頼人がすべてをぶちまけれは、女性に無理矢理、被害届を出させてでも警察は動き出すだろう。名前や連絡先、報酬の振込口座、メールアドレスも架空名義というが、どこで足がつくかわからない。加えて、マスコミの人間や、警察関係者が依頼人を装って接触してくる可能性もなくはない。

素人考えでも、そのリスクは限りなくある。

「そう、だかり今日の仕事も受けたのはー年前じゃなかったかな。対象者の行動を洗い出すのはもちろんですが、依頼人の背後閣係も探りますんでね」

佐々木がもっとも注目するのは、依頼人の経済事情だという。なんせ、復讐代行の報酬は最低額でも200万。ギリギリの生活をしている相手なら、金を払うのが惜しくなって警察に駆け込むかもしれない。報酬は相手次第ってとこですが、実行役の3人と私で最低50万ずつ、200はいただかないと割に合いませんからね。体を張って50ですかり、そう高くないと思いますよ。

今回の依頼人は慎重な方で、万一自分が疑われたときの完壁なアリバイもほしいと言う。ですんでビザが必要な南の島に、女性同伴で行ってもらいました

実行までにー年かかったのは、このアリバイ工作のためらしい。これまで、プライベートで海外に出るのは夏休みだけだった彼が、中途半端な時期に旅行してはかえって怪しまれる。そこで、夏のシーズンを待ち実行に移したそうだ。
復讐された女性が犯人探しをしたとき、いちばん最初に疑うのは依頼人でしょ。でも、調べると海外旅行の真っ最中です。しかも女性同伴で。そんなヤツが昔の女への復讐企んでるなんて思いませんから。

復讐のため第三者にレイプを依頼するなんて、判断がつかなくなったヒステリー男かと思いきや、金銭的にも精神的にも余裕のある連中だったのだ。アリバイ工作のため、ー年もタイミングを待つとは。なんとも、空恐ろしい話ではないか。

陵辱の一部始終をビデオカメラで撮影
実際の仕事はそう難しくないと言い切る佐々木。やり方さえ間違わなければパクられる心配は皆無と自信満々だ。

「親と同居してたり、夫婦もんは最初から引き受けませんから、基本的に相手は一人暮らし。今日は下調べの段階でピッキングしやすいってわかってたんで、女が寝静まってから力ギを開けて中に入ったんですよ。ピッキングが無理なら、合い鍵を作る。方法は企業秘密ですが、仲聞っちにはカギ屋もいますから。後は住んでる状況によって侵入方法を考えます」

角部屋など人目につかないところなら、帰宅時間前に侵入して女の帰りを待つ。対し、人通りの多い道路に面してるなど早い時問に動くのがムリと判断すれば、対象者が寝静まってから入る。今日は、見学者が多いので深夜にしたと笑う佐々木。それにしても、当日、対象者がいつ帰るのか、しかもー人で戻ってくるかをどう判断するのか。

「もちろん、友だちと一緒に帰ってくる可能性はあります。しかしー週間も張り込めば、その人間の交友関係や行動パターンはだいたい把握できるんですよ。それに実行日は朝から見張ってますから失敗はありえない。仮にナンパでもされて急に男を連れ込んだとなれば、日を改めればいいだけの話じゃないですか」

男たちは黒い目出し帽と医療用手袋を着用し、部屋に入るとまずはブレーカーを落とす。後は帰ってきた相手をはがい締めにするなり、寝ている女に近つくなりしてガムテープで口をふさぎ、順番に犯すだけ。彼らはいっさい声を出さない。
近隣への配慮はもちろん、当の女性に恐怖感を与えるためだ。自分を犯している人間が日本人か外国人かもわからない。これは女にとって愛怖だろう。

「さらにその様子をビデオで撮影している人間もいますから。そりゃ恐いでしょう。でもこれは、依頼人に見せるためなんですよ。だって、200万出して実際にコトが実行されたのかどうかわからなかったら納得しないでしょ」

ビデオテープは犯行の唯一の証拠でもある。よって、依頼人の目の前で再生したら、すぐに処分するそうだ。ほとんどの人は5分も見続けられませんね。さすがに良心が痛むんでしょ。なんせ私の仕事は徹底してますから。実行役には最低、3時間は陵辱しまくるように言ってあるんですよ。体液を残さないためのコンドーム、それに口ーションとバイブレータ持参で、とにかく時間いっばい犯す。女は最初のうち多少、抵抗しますけど、そのうちあきらめるんですよ。3人が射精すれば終わると思うんじゃないですか。それまで我慢しようって。

でも、ー度終わっても延々やるわけですよ。キツイでしょ。終わったころにはホント、ボロボ口。その姿をポラロイドで2、3枚撮ってー枚脇に置いて<るんでまコトが終わると、男たちは裸の手足をガムテープで軽くしばり、電話線を切断。さらに電話も取り上げ、ブレーカーも切ったまま玄関から外に出る。
恨みを買った人間は報いを受けるべき
女ばかりとは限らないんですよ。ときには男の場合もある。手足は縛りますが、やり方は一緒部屋に侵入して、尻のアナを犯すんです。どうだろ、ビデオや写真を見る限り男の方が悲惨じゃないかな。中には失神しちゃうのもいるし。それこそ被害届なんて出せません。こんな非道な仕事を淡々と語る佐々木は、何者だ。いったい何でこんな商売を始めたのか。

「酷い?自分では正義の味方のつもりなんですけどね。いや、それは冗談ですが、昔、私も裏切られたことがあるんで依頼人たちの無念な気持ちがわかるんですよ。私は相手がどうしても許せなくて、自分で行動を起こして失敗しましてね」

婚約者と親友が駆け落ちし、居場所を突き止めた佐々木がナイフで斬りつける結果になったらしい。その後、何年かを刑務所で過ごしたそうだ。

「この世の中、法律にひっかからなきゃ何をやってもいいって連中だらけでしょ。確かに交際相手を裏切ったからといって罰する法律はありません。しかしね、人に恨まれるだけのことをやったら報いを受けるべきなんですよ」

会社のパソコンでネットサーフィンするうち、あちらこちらの掲示板で昔の自分のよーっな人間たちを発見し、アイディアがひらめいたそうだ。

「具体的には言えませんが、本業の関係でいろいろなネットワークとつながりがあるんですよ。50万出せば何でもやるって若いのはいくらでもいる。以前、『平成の仕置人』と称して同じ様なことやってた人がいましたよね。結局、恐喝かなんかで捕まったようですが。こういっ仕事は儲けようなんて欲張ったらボ口が出るんですよ。だから、ちょっとやってみようかなと。平均すれば月に3、4件。私の懐に入ってくるのは正味200~300万ってとこですね」

実際に依頼を受けるのはその数でも、メールで話を聞く人数は10倍ほど。復讐を願う人間はそれこそ無数にいるそうだ。

「たぶん、同業者はたくさんいると思いますよ。ニーズはもの凄くありますから」

顔がウリのホストを砂袋でボコボコに
佐々木の通称はレイプマンだが、仕事はそれだけに限らない。希望があれば別れさせたり会社を辞めさせるなどの工作も手がけるそうだ。

「気分次第なんですよ。話を聞いて面白そうだったらどんな依頼も引き受けちゃいますし。例えばね、リストラされた会社が憎いから社長の家を壊してくれ、なんてのもありましたよ。私が直接、手をくだしたわけじゃないんで詳しくは知りませんけど、その家に工事用のトラックが飛び込んだらしいですね」

去年の秋に引き受けたのは、男をボコボコにしてほしいという若い女のコ、4人からの頼みだった。男は23才のホストで、ある店のナンバー2の草薙剛に似た端正な顔がウリで、客の女性に甘いことを言っては金を引っ張っていたらしい。

「依頼人はみんな風俗嬢で、中には男に貢ぐため、ピンサ口でバイトしてるってコもいましたね。とにかくその男、全員に本当に好きなのはおまえだけだって言ってたらしいんですよ」

4人も女がいれは、バレない方がおかしい。店や男の部屋で他の女と鉢合わせし、怪しんだ女性がホストクラブの同僚に聞くなとするうち、自分の他に3人も恋人がいた。最初は敵対していた彼女たちも、話をするうちに自分たちが同じ立場だと気つく。しかも、嫁は別にいることまでわかった。

「風俗のコたちなんで、貢いだ金には未練がない。それよりホストができないようにしてほしいって言うんですよ。とりあえずそれぞれ50万ずつ、キッチリ200万を持ってきた。そしたら断れないじゃないですか。だからお望みどおりにしましたよ」

ある日の早朝仕事帰りのホストを付け、人気のない路地に入ったところを後ろから目出し帽を被った3人の男たちか襲いかかった。凶器は、砂袋だ。

「まあ、角材でも鉄パイプでもよかったんですか、砂袋のように衝撃を吸収するもので殴ると骨の下の皮膚組織にまでダメージを与えるんですよ。例え表面の傷が治っても、鼻が曲がったり顔全体が崩れちゃうわけ。聞いたらー人が羽交い締めにして、顔だけボカスカ殴ったって相当壊れたんじゃないかな」

後日、ネットの掲示板に依頼人のー人から威謝のメッセージが書き込まれたそうだ。

「ウワサだとあいつは田舎に帰ったようです。いい男を探します。ありがとうございました」
いくら金を積まれても殺しだけは引き受けない。確かに佐々木の仕事は非道に違いないが、その陰にそれを望む依頼人かいるのも事実。ある意味、体を張る佐々木よりも、自分の手は汚さず、金で復讐を図ろうとする彼らの方が恐ろしい気がしないでもない。「私が言うのもなんですが、正直、この人とは関わり合いになりたくないです。」