本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

元の消防団員が連続放火犯になった理由

教師が痴漢したり、果では看護士が殺したり。世のモラルが退廃しているなんて、言うまでもない。

捕まった連続放火犯は、なんと地元の消防団員だった。周辺で75もの放火とみられる火災が発生した町、Tはそのうち約50件の犯行を認めているという。まさにマッチポンプの言葉がふさわしい卑劣な犯行。この男懲犯罪に駆り立てたものはなんだったのだろう。
いつも一番乗りで現場に駆け付ける男

「いやね、現場に真っ先に駆け付けるんで有名だった。」
Tは高槻市郊外で育った。知人によると町の酒屋に丁稚奉公に出される。仕事ぶりは真冒で熱心、そのうち店の番頭を任されるようになった

地元の記者はいう。

「結婚したのは今から20数年前ですか。娘さんが2人いて、上ばもう嫁いでいるはずですよ。だけど決して幸せな家庭じゃなかったようなんです。奥さんが軽い知的障害でね、食事の仕度なんかすべてTがやってたらしい。苦労を一手に背象つ格好ですわ」

2人の子供と妻を養うには、酒屋の給料だけではとても賄えない。市消防団の団員となり、年間2万4千円プラスー回につき4干円の出動手当てを生活費の足しにするようになった。

消防団は欠かさず参加し、ひとぬれになりながら懸命な消火活動に励んだ。その姿が周囲の目にとまり、まもなく班長に抜擢されたのも当然のことといえようで

「信順は厚かったよ。苦労人らしく何事にも手を援難ず、ひたむきなんだ。こっちもしっかり頑張ろううて気持ちにさせられる男だったんだ」(消防団員)
「1回につき4千円の出動手当がほしかった」
涙ぐましい限りの頑張りだが、5年ほど前に交通事故で200万ほどの賠償責任を受け、なけなしの貯金を取り崩し、生活を切りつめなくなてならない。
早朝の牛乳配達や米の宅配までこなし、身を粉にして働き続けたが、精神的には確実に追い詰められていた。初めて犯罪に及んだのもそのころだ。消紡団の経費57万円ほどを着服したのがバレ、返済を迫られた。返済の約束を交わしたためクビにならずに済んだものの、金を作る方法は見当たらない。

《チクショー、これだけ一生懸命働いてきたのに、なんでこんなことになっちまづたんだ。オレは本当についてねえ》

自分の運命を呪ったTはついに暴発する。
配達の途中で予め放火できそうな家を物色した上、月にー回ほどのペースで深夜に自宅をぬけ出してはライターで火を放ったのである。配達地域は自宅の半径約1キ口圏で、放火場所もほぼその範囲に限られていた。
火を附けた後、急いで帰えり、サイレンが聞こえるからと毎度、一番乗りに再び自宅を飛び出すのがパターンだ。
次々と起こる不審火Tがマークされるようになつたのば逮捕の1年ほど前からだという。
「一番乗りにに到着し、おまけに自宅の周りばかりに火が上がる。繰況証拠は真っ黒け。もはやアイツしかいない」

着服を理由に消防団を解任されたTは、ー月ついに逮捕される。直接の容疑は、の木造3階建てへの放火だ。玄閣にあった木くず入りポり袋に、ライターで火をつけたのである。

幸い、警戒中の警察官が発見しで消火、住宅は焼けなかったため非現住建造物等放火未遂が適用されたがぺ取り調べで余罪がボロボロ出てきた。Tはこう供述する。

「火が出ると続々人が集まってきて、それを見るとうっぷんが晴れる気がして。配達のバイトをしても月にせいぜい20万程度でしょ。刑事さんがお調べのとおり、いろいろあって生活が苦しくて、相当ムシャクシャしてましたー回出動すれば、4千円の手当てももらえるし:」

最近の少年・少女が起こす動機不朋の犯罪と比べれば分かりやすいが、物悲しさが残る中年男の転落図であつた。小さいころから消防士にあこがれていたという青年が、なぜ連続放火魔に変身してしまったのか。
人間は火を見ると興奮する、というのは定である。火災現場でヤジ馬の紅潮した顔を見たび、誰もが放火魔の可能性を隠し持ってい気がしてならない。